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柔らかなシーツの上に降ろされると、尊さんは手早く上裸になり、俺の上に覆いかぶさる。
大きな掌が優しく俺の頭を撫で
慈しむような眼差しで見つめてくれたかと思えば、また雨のように熱いキスが降ってきた。
今度は耳元を、這うように舐め上げられる。
「ひゃっ……!?」
不意に漏れた変な声に、耳たぶまで真っ赤に染まっていくのがわかる。
「っ……んっ、た、たける……さんっ……おれ……おいしい……?」
視界を熱に潤ませ、掠れるような声で尋ねると
尊さんは俺の額に自分の額をこつんと合わせ、吐息を混ぜて囁いた。
「死ぬほどな」
その一言があまりにストレートで、胸がきゅーっと締めつけられる。
「えへへ……っ」
幸せすぎて、自然と緩んでしまう口角を抑えられない。
尊さんの底知れない優しさと、剥き出しの情熱が、交互に俺の身体と心を貫き続ける。
今、この瞬間、世界で一番幸せなのは間違いなく自分だと、確信していた。
◆◇◆◇
嵐のような情事のあと──……。
部屋を包むのは、微かな空調の音と、二人の穏やかな呼吸音だけ。
尊さんの逞しい腕に頭を乗せ、その胸板に身を預けながら、俺は左手の薬指で淡く光る指輪をじっと見つめていた。
「尊さん……俺達、これからもずっと一緒にいましょうね」
「……当たり前だろ」
尊さんの温かな掌が、俺の手の上に重なった。
節くれだった大きな指先が、そっとリングの縁をなぞる。
「……本当に……なんでこの世には『愛してる』以上の言葉がないんだろうな」
「ふふ、急になんですか?」
少しだけ顔を上げると、尊さんは天井を見つめたまま、独り言のように続けた。
「お前のこと、いくら愛しても愛し切れそうにないって意味だ」
混じりけのない真摯な声音。
その響きに、視界がじんわりと熱くなり、涙が出るほどの幸福感が身体中を駆け巡る。
「もう……っ、尊さんってば……なんか、プロポーズみたいですよ……? 指輪もしてますし」
「気が早いな」
「はは……幸せすぎて、つい」
「……ま、そのときが来たら、もっとお前に合う指輪を用意しないとな」
尊さんはそう言って、俺の額に柔らかなキスを落とした。
二人の間に流れる時間はどこまでも静かで、凪いだ海のように穏やかだ。
この先、どんな困難や嵐が待ち受けていたとしても
この人との絆があれば、どこまでも越えていける。
そんな気がしてしまう。
窓の外、遠く広がる星空の下で誓い合った二人の想いは
決して消えることのない永遠の輝きとなって、これからも俺達を照らし続けていくのだと、信じて。
𝑭𝒊𝒏.