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アキトと会って作戦会議をした日から更に数日経過した。その期間内で約束通り戦姫専用のクローゼットと自宅を送ってもらった。クローゼットに関してはいつだかネットで見たもののひとつ前の型らしく、少し幅を取るが中に入れる装備量としては申し分ない。で、問題なのは戦姫の自宅だ。多少スペースはとってもいいと話していたが、届いたサイズは一般的なハムスターのケージより少し大きいくらいのサイズで、1LDKの僕の部屋には少しいや、だいぶ大きく感じ結構スペースを取る事になる。そのため、まさかの戦姫の為に模様替えを行うこととなりそこに時間を使ったため実はカナの戦闘経験値を稼ぎには中々行けなかった。

ちなみに、家が届いたことを知ったカナはかなりご満悦な様子であったのは確かに覚えている。が、それ以上に気になったのはカナが口走っていた『レイアウトどうするかなぁ』という恐ろしいこと。まさかの戦姫の部屋にも更に家具とかを買うという概念が存在していたとは思わなくて、それを知った時はまた僕の財布が飛ぶんだと覚悟をした。

そしてようやく落ち着いたとある日………。

「なぁリナ?」

「ん?」

「すごい今更なんだが、私達が最初装備を買ったショップあるだろ?」

「あるね」

「そこの店長が初心者応援パックみたいなの配ってたじゃん?」

「うん」

「その中にさ『電晶石』てあった思うんだけど、それ何に使うの?」

「わっかんね」

「前から思ってたけど、あなた適当に生きてるよね?壁にぶち当たってから考えるタイプの人間よね?」

「頭使うの嫌だからね。可能なら楽して生きていたい。」

「典型的なクズって事が再度確認できたわ」

「クズとは失礼な!大半の人間はこんなもんよ?」

「まぁ、他の人がどうであれ私の中であなたはクズってレッテル貼ったから」

「ひっどいやつ…」

「で、話戻すけどその電晶石の使い道分かんないならさあの店長に直接聞きに行かない?」

「アキトでもいいだろ別に」

「ほら、ここ最近外出て戦姫大戦してなかったしやらないとマズイでしょ?」

「それはそうだが、カナの戦闘スタイルを確立させないとなんとも…」

「最初に会った時に話してるでしょ?私は近接特化の戦姫なの。だから近接用の武具を整えればなんとかなる!」

「ミナみたいな遠距離攻撃するやつに対してはかなり弱いから今はなし。追々それは許可してあげるから今はオールラウンダーになってくれ。」

「えぇー。私は騎士道を通したいのに」

「言ったろ?はオールラウンダーになってくれよ。戦闘データを取らないとミライソフトの奴らに勝てないだろ?」

「それはそうだけど…」

「なら、申し訳ないが暫くは銃火器とかボンボン使ってもらうからな。代わりに、ほらあの店長に会いにいくぞ 」

「はーい…。 」


例のモールにつき、電晶石をくれたショップに足を運ぶ。その道中でももちろん戦姫大戦をしていきしっかりガチャポンも回収する。

「おっ、着いたね」

「なら、入るぞー!」

店に入り店内をぐるっと1周してみるが、店長の姿はおろか、スタッフの姿一つ見えない。間違えて開店前に入ったのかとも思ったが、訪れた時間はお昼すぎで店舗前の看板にもしっかり昼前から開いてると書いてあるため、開店前に来たという説はすぐに消え去る。

冷静になって再度店内を周り、そこでもうひとつの異常さに気がつく。客も自分たちしかいない。今この店内にいる人間は見える限り自分たちしかいないのだ。この異様な事態に僕だけでなくカナも何かを感じとったようだった。

「なぁ……。明らかに変だよなこれ?」

「変とかってレベル超えてるよ全然」

「思い返せば何故かこの店に近づくにつれて人も減ってたよね」

「てことは、僕たちは誘われた感じかな?」

「誰に…て聞くまでもないか」

「そうだね」

二人の会話を聞いていたのかレジカウンター裏からスーツ姿の男が一人現れる。

「あなたがミシマさんが不覚をとった相手ですか。」

「あのオッサンミシマって言うんだな。で?そのミシマってオッサンのしりぬぐいのために関係者が出てきた感じか?」

「当たらずも遠からずってところです。私はミシマさんの部下の一人。ミシマさんの命令でこの店舗を借りて貴方を始末するように頼まれてます。」

「始末ってことは、やっぱりあのオッサンに勝つこと自体イレギュラーで勝たれた相手には消えてもらう必要があるんだな?それ即ち隠蔽したい事態って訳で、後ろめたいことある企業なんだな『ミライソフト』さんは?」

「ほぉ?何故私たちだと特定出来た?」

「あっ、ほんとにそうだったんだ。てっきりカナが適当こいてると思ってたんだけど。」

「お前私のこと信用して無さすぎだろ」

「まぁまぁ、そのおかげで『バカ』は見つかったみたいだし結果オーライよ」

「……。あまり大人を怒らせない方がいい。」

「アンタを怒らせる怒らせない関係ないしに、オッサン倒した時点で会社側カンカンだろうし関係ないね。」

「こちらとしても大事にするのはリスクを負うが、君がミライソフトの社員を倒したという事実が世に知られる方が都合が悪い。残念だが、君をこのモールから出すことはない。」 

「つまりは、僕ごと消すわけだ?それイコールで、大手戦姫メーカーのミライソフトさんは汚職企業って事になるけどいい?」

「証人である君を消せばなんの問題もない」

「自分らが負ける可能性を排除してるのは自信の表れ、ね。準備出来てないけど行ける?」

「はぁ?聞くまでもないでしょ?」

「そういやそういう奴だな」

「素人に負けるほど私は甘くない!」

「それ、君の上司も間接的にディスってるけどいいのかな?」

「あの時のミシマさんの戦姫は偵察用の装備だった。本来の装備であれば君ごときには負けるはずがないよ。」

「苦し紛れの言い訳っぽいけど、黙認しておいてあげる。僕優しいからさ。」

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