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上野文
9,610
都築七美
278
てく
1,872
上座に腰を据えた蛇珀とちょうど同じ高さになるそれは、彼女が人として生きていた時と同じ背丈であった。
「そういやあ、三百は俺がお前と出逢った歳だったな」
栗色の枝を飾るように淡く色づいた桃の花。
蛇珀は四百年前と変わらぬ慈しみと愛おしさに満ちた微笑みで、彼女に語りかけた。
「…………なあ、いろり」
しとやかながら、無限の想いを示すかのようにどこまでも可憐ないろりの花は、いつまでもいつまでも、蛇珀の側で愛らしく咲き誇っていた。
『蛇珀様』
——了——
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