テラーノベル
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夜の公園。
照の口からこぼれた、たった一言。
「お前だよ」
その言葉だけが、静かな空気に残っていた。
風が吹く。
ブランコの鎖が、小さく音を立てる。
それでも二人は動けなかった。
────────
💜side
「……え」
頭が真っ白になる。
照が好きな人。
それは。
自分だった。
何か返さなきゃ。
そう思うのに、言葉が何一つ出てこない。
照は困ったように笑った。
💛「急にごめん」
💛「忘れてくれてもいい」
💛「ただ、もう隠せなくて」
その声は、今にも消えてしまいそうなくらい弱かった。
今まで見たことがない。
いつも堂々としていて。
誰より頼りになって。
弱音なんてほとんど吐かない照が。
こんな顔をするなんて。
💜「……いつから?」
やっと出た声だった。
💛「気付いたのは最近」
💛「でも、多分もっと前からだったんだと思う」
💛「気付かないふりしてただけ」
照は苦笑する。
💛「お前が笑うと安心して」
💛「他のやつと楽しそうにしてると嫉妬して」
💛「距離置けば忘れられると思った」
💛「でも無理だった」
一つ一つ、ゆっくり話してくれる。
その全部が、本音だった。
────────
💛side
終わった。
全部言った。
もう後戻りはできない。
深澤は黙ったまま俯いている。
困らせた。
やっぱり言わなきゃよかった。
「……悪い」
小さく笑って立ち上がる。
💛「帰るわ」
これ以上ここにいたら。
返事を待ってしまう。
期待してしまう。
だから。
歩き出そうとした、その時。
ぐいっ。
服の裾を掴まれた。
💛「……え」
振り返る。
深澤が俯いたまま、照のパーカーを掴んでいた。
その手は少し震えている。
💜「……待って」
その一言で。
照の足は止まった。
────────
💜side
帰らないで。
その言葉だけが頭の中を埋め尽くす。
照が好きな人は自分。
その事実を知った瞬間。
今までの違和感が全部繋がった。
最近距離を置いていた理由。
返信が遅かった理由。
避けていた理由。
全部。
全部、自分を好きだったから。
そして。
照が帰ろうとした瞬間。
胸が締め付けられた。
(やだ)
帰らないで。
その気持ちだけで、手が動いていた。
「……照」
ゆっくり顔を上げる。
目が合う。
照は何も言わず待ってくれていた。
「俺さ」
「さっき照が好きな人いるって言った時」
少し笑う。
「苦しかった」
照の表情が変わる。
💛「……え」
「知らない誰かに取られるって思った」
「なんでこんな苦しいんだろって」
「ずっと考えてた」
一歩。
照へ近付く。
「照が避けるだけで寂しくて」
「返信来ないだけで気になって」
「今日会うって決まってから」
「朝からずっと緊張してた」
そこまで言って。
ようやく分かった。
「俺」
「照が好き」
自然と涙が溢れる。
「親友とか」
「家族みたいとか」
「そんな言葉で誤魔化してた」
「でも違った」
「ずっと照だった」
声が震える。
照はまだ信じられないような顔をしていた。
────────
💛side
夢かと思った。
深澤が泣いている。
そして。
“好き”
そう言った。
何度も夢で見た光景。
でも。
夢はいつも途中で終わった。
だから。
今も信じられない。
💛「……ほんと?」
思わず聞いてしまう。
深澤は少し笑って。
💜「そんな顔する?」
💜「俺、こんな泣いてるのに」
照も思わず笑った。
💛「ごめん」
💜「信じて」
💜「ちゃんと好きだから」
その瞬間だった。
照はそっと深澤を抱きしめた。
壊れ物に触れるように。
ゆっくり。
優しく。
💜「……照」
💛「ごめん」
💛「ずっと好きだった」
💜「待たせてごめん」
💛「待つって決めてた」
💜「俺ももっと早く気付けばよかった」
少しだけ体を離す。
目が合う。
二人とも泣いていた。
でも。
その涙は苦しいものじゃなかった。
💛「付き合ってくれる?」
今さらだと思いながら聞く。
深澤は少し笑って。
💜「お願いします」
照はもう一度抱き寄せた。
今度は少しだけ強く。
十年以上。
隣にいるのが当たり前だった。
だからこそ、一番遠かった。
遠回りばかりした恋。
気付くまで時間はかかったけれど。
その時間さえ、二人には必要だったのかもしれない。
公園を吹き抜ける夜風は少し冷たくて。
それでも繋いだ手だけは、驚くほど温かかった。
誰より近くにいた相手が。
今日からは、“一番大切な恋人”になった。
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あずさ
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コメント
4件
めっちゃ自分も心ぎゅーってなった。 待って、付き合ったぞおおおおおおお!
物語最後まで見ていて、苦しい気持ちとか、全部感じられるくらい上手すぎます!照くんの、お前だよ が最高すぎます!今後ともお幸せに!
えっ、待って待って待って!?!?😭💕💕💕 ついに告白きたあああ!!「お前だよ」からの流れ、ずっとドキドキが止まらなかったよ…もう!!! 照の強がってるけど実は不安だらけな感じも、深澤が「帰らないで」って裾掴むとこも、二人で泣きながら想い伝え合うシーンも、全部がエモすぎて心臓もたんかった…!! 十年越しの遠回り、無駄なんかじゃないって思えるラストだった🫂✨ 繋いだ手が温かいって表現、ほんと尊すぎて天に召されるかと思った🥺💞 大好きすぎる回でした…!!