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フォロー失礼します
アッなんか、その、なんて言うんやろな、めっちゃ好きです。 ストーリーの流れとか書き方とか全部含めてめっちゃ好きです
ATTENTION_____
ただ書きたいとこを書いただけ。中身がない。
捏造のオンパレード。解釈違い注意。
謎設定、謎の世界線。
当然ながら本人とは関係なし。動画上の彼らのキャラクターと名前を借りた二次創作(なお僕個人の彼らへの解釈を含む)であることを念頭に置いて読んでね。
短いしなんか時系列バラバラ。だいぶ読みづらい文になってると思う。ごめんよ。
それが許せるぜ!っていう寛大な心を持ってる人はお先へどうぞ。
*本文と関係ないような苦情は受け付けません。(誤字とかあったらそっと教えてクレメンス)*
追記:力尽きたので中途半端だけど投稿しますん。書く気起きたら書きます。一応オチは考えてるから安心してね。
「あんな、おれどうしても隠さなあかんひみつがあんねん。だれにもぜったい言えないひみつ。」
戦勝記念の打ち上げと称した飲みの席で、シャオロンはそんなことをこぼした。一二を争うほどには酒が弱い彼。顔は真っ赤で、明らかに酔っ払った様子だった。
少しふらつきつつも、先程まで飲んでいた酒瓶を抱えたまま鬱の傍に寄っては、酒瓶を床に雑に放り鬱の左腕にぎゅうっと抱きつく。普段鬱には当たりが少々強いばかりか、こうして人に甘えることなど滅多にないシャオロンの行動に、そして先程の発言に、全員が固まる。
動揺と、単純な興味と。
様々な感情を浴びてなお、酔っ払ったシャオロンは気にすることなく鬱の顔を覗き込む。その顔は、シャオロンの年齢からは考えられない程に幼く、童顔というよりは、十にも満たない子供のような顔で、鬱は一人戦慄した。人知れず、ひゅっと鬱の喉から掠れた音が出た。
「ねー、しゃるる?」
“しゃるる”と、そうはっきりシャオロンは口にした。にへっと笑っては、猫のように顔を鬱の腕に擦り寄せる。
ひやりと、鬱の背筋を嫌な汗が伝った。”あの頃”を彷彿とさせる、トラウマにも似たあの顔。
鬱を、シャオロンを、永遠に縛り付ける、のろい。
「しゃ、るる…..?」
一回も鬱が口にした事の無い、グルッペンでさえ初めて聞いた名前。鬱という渾名からはかけ離れた、西洋の名前だ。語感と雰囲気から察するに、貴族階級の名前であることは、勘の良い者や学のある者はすぐに気付いたはず。
トントンは、しゃるるという言葉になにか聞き覚えがあり、眉を顰めた。他にも思い当たる者がちらほら居るようで、頭を抑えるなり顎に手を当てるなりして考え込み、黙り込んでしまった。
そこに、はい、と。
「しゃるる、って…..三百年前に滅びたF国の王族の名前ですか….?」
少し言いづらそうにしつつも、律儀に手を挙げ、エーミールがそう告げた。流石は教授と言うべきか、その知識の海は多岐に渡るようで、すぐに答えを導き出した。エーミールの言葉に何人か思い出したようだ。はっと顔を上げては「それや!」と相槌を打つ。
鬱の顔が、分かりやすく青ざめたような気がした。
エーミールの言う通り、しゃるる____シャルルは、今から三百年ほど前、西洋で最も勢力のあったF国の元首に当たる位置にいた貴族の名前である。
F国は、圧倒的な武力と国力により、”世界屈指の強豪国”とまで呼ばれ、歴史上「最も発展した国」として、歴史の教科書に載るほど有名な国だ。他国との円滑な貿易と、細かなヘイト管理、広大な土地を生かした物資の自己生産により、100年ほど安泰の世を築き上げた。その計画的かつ円満で堅実的な政治方針は、安全で豊かな国を運営をする上での指針として挙げられている。
「完璧」
その言葉が当てはまるほど、抜けの無い徹底された国だった。国力も兵力もあるために戦争でも負けることが無く、廃れる理由が無いほど発展していた。誰もがこの国が頂点に立つと確信し、畏怖していた。
しかし。F国は、大国とは思えないほどに呆気なく、不可思議な終わりを告げた。
真昼。憎たらしいほどに眩しい、晴天広がる秋初旬。F国は、一瞬にして焼失した。焼き払われたというよりは、焼き尽くされたと言うべきか。その間はおよそ一分にも、下手すれば三十秒にも満たないとの事だった。F国も、そこに住む何十万という人々も、全てが一瞬にして灰と化した。
詳細は、三百年経った今でも解明されてはいない。燃えたその瞬間を見たという多数の人々によれば、中心から炎の渦のようなものが巻き上がり、それが徐々に拡大していきF国全土を飲み込んでいったのだという。何人かはその様を”悪魔が顕現した”ようだとも語った。誰もが魔法のようだったと語り、人ならざる存在の所業だと口を揃えて言った。いずれにせよ、それを目撃した事の無い人々にとって、それはあまりにも信じ難い話であった。
結果、F国は隣国であるN国の放火によって焼失したのだという形に落ち着き、文献にもそう記された。いつしかF国焼失についての詳細を知ることはタブーとなり、真実は闇へと葬り去られた。三百年経った現在、当時の詳細____N国の放火ではなく、謎の炎の渦によって焼失したということ____を知る者は、物好きな学者と、その話を伝承として語り継ぐ一部の村の者だけだ。無論、エーミールもその物好きな学者のうちの一人である。
「なんでシャルル家の名前がシャオロンから出たんや?」
「ましてや相手は大先生やし。」
「大先生がシャルル家の人間だとでも?」
「F国が焼失してんなら一族皆死んでるやろ。それに三百年前の話や。生きとるはずがない。」
メンバー内で、意見が飛び交う。シャオロンの突拍子で奇怪な発言は、あのグルッペンをも混乱に陥れた。
鬱は三百年前からずっと生きていた?鬱はシャルル家の末裔?
出てくる意見は、どれも現実には有り得ないことで。シャルル家の末裔である説も、シャルル家の生き残りが居たことも、文献やその他の状況を鑑みて有り得ない。三百年も昔に科学が発展しているとも思えないし、そもそも人間が三百年生きるなど不可能だ。
そうなれば、尚更シャオロンの言葉が訝しく聞こえる。彼は一体何を見て、思い浮かべ、言葉を口にしたのだろう。全く意図が掴めぬまま議論は堂々巡りを続け、自然と視線は鬱に集まった。
“一体どういうことか説明しろ”と、全員の視線が言葉にせずとも暗に示していた。
「んー?しゃるる、どしたん?」
相変わらずシャオロンは呑気そうだ。鬱を見上げては、ゆさゆさと鬱の身体を揺する。その顔は幼子そのもの。母にくっつく子供のような、そんな印象を全員が持った。
「しゃ、しゃおちゃん。人違いちゃう?俺、シャルルなんて名前ちゃう….」
「うそだ!『俺はシャルルの名前捨てて鬱になるけど、シャオちゃんはたまにでもいいからシャルルって呼んでほしーな』っていってたやん!おれ、ちゃんと覚えてんねんで!」
「や、えっ….と…..」
「ねーしゃるるー。מִיכָאֵלh____」
「あかん!」
何か、理解し難い名前をシャオロンが口にした瞬間、血相を変えて鬱がシャオロンの口を塞いだ。シャオロンはもごもごと口を動かし不満げだが、鬱の病的なまでに青ざめた顔を見て何か察したのか、大人しく縮こまる。
「シャオロ…..今の、名前って…….?」
「…….知らんでええんよ、グルちゃん。」
「しかし、….」
「ごめん、忘れて。」
מִיכָאֵל、と。先程シャオロンが口にした名前を、鬱は再び口にして。
「מִיכָאֵל、皆の記憶消して。」
その瞬間、シャオロンの左目が、マゼンタ色の炎を纏った。強いマゼンタの光を放つそれは、部屋を瞬く間に埋めつくし_____________
その炎が収まる頃には、シャオロンと鬱を除いた全員が、心地良さそうに眠っていた。
「だいせんせ、ごめ、……おれ….」
「んーん。酔っちゃってたからしゃーないよ。もう皆覚えてへんから、気にする必要ないの。」
「うん……。」
「皆を部屋に運びに行こ?こんなとこで寝てたら身体痛めてまう。」
「そーやな。いこ。」
シャオロンは苦虫を噛み潰したような、申し訳ないような顔をしつつ、大人しく鬱の言う通りに皆を部屋に運ぶのを手伝った。
三百年前。F国が、西洋の大陸で最も力を持っていた時代。
シャルル家の三男、シャルル・ウツーは、一日の殆どを屋敷の中で過ごしていた。城とは別途に造られた、シャルル家の人間が暮らすための屋敷。人気の少ない森に近い場所に建てられており、貴族とは思えないほどに質素で簡素な屋敷だった。一家が住むには少しばかり狭く、一人が住むには広すぎる、微妙な大きさだ。
そんな屋敷に、ウツーはたった一人で住んでいた。正確には、一人の使用人と共に、だが。
ウツーは、生まれながらに病弱だった。走ることはおろか、歩くことさえ難しく、一年の殆どをベッドの上で過ごす日々を送っていた。起き上がることすらままならないウツーは、本を読むので精一杯。勉学も、礼儀作法も、逞しい身体も、一日フルで働いてもバテない体力も、ウツーは何一つ身につけることが出来なかった。
起き上がることも出来ない『無能』なウツーは家督を継ぐことは不可能だと判断され、齢三歳ながら一人で辺境に住むことを余儀なくされた。優秀な長男も居たため、決定にさほど時間は掛からず、実の両親である王、女王共に全くの躊躇が無かったとウツーが聞いたのは、十歳になった頃だった。