…でも、嫁いでからも身体の弱さは相変わらずで…それから1年間、ほとんどを寝て過ごす毎日だった。
やがて迷惑をかけてしまうと思った私は天元様にお願いして、人気が少ない山奥の屋敷にてお世話係をしてくれる人達と共に生活する事になった
雛鶴様たちはそれからも時折お見舞いに来てくれた、3人揃っての時もあるが、殆どは1人だったりする。
彼女たちは私が退屈しないように外の話やその日にあったこと、鬼殺隊の事、 そして天元様の話などをしてくれた
3人で来てくれた時はまきを様と須磨様の戯れを見ながらみんなで笑ったりした。
時折ぽつりと「私も健康な体だったらな」と言ってしまった時も 【元気になったら一緒に街に行こう】と励ましてくれたりもした。
それから数ヶ月、訪問が無い日々を送っていた後。天元様や雛鶴様たちが上弦の鬼と戦い深手を負いながら勝利した事、そして天元様が傷のせいで柱を引退した事、柱稽古なるものが始まったことを手紙で知らされた時はとても心配した…しかし彼女たちが訪問に来てくれて自分たちも柱稽古にサポートとして入ったことや、全員無事だったことを知ると安心した。
そして天元様本人も柱を引退する前も後も時間がある時は会いに来てくれた。
私はそんな毎日が楽しくて、嬉しくて………悲しかった
最初の頃はみんなの話を聞いて嬉しさが大きかったが..やがてそんな毎日を送っていると自分の中で父の言葉が木霊するようになっていた…
【お前はこれからも一生誰からも愛されない、誰の役にもたてないのだ】
最初のうちはそんな事ないと心に現れた不安をかき消していた…しかし、ある日聞いた風の噂で…その父の言葉が自分の心の中に反響し淀みを作り始めた
【鬼殺隊の音柱、宇髄天元には妻が”3人”もいる事を知っているか?】
【マジかよ、元忍びはいいよなぁ妻を”3人”も娶っても文句を言われないのだから】
ある日、何時ものように布団の中で一日を過ごしていた時。
偶然にも稽古中の若い鬼殺隊員達が屋敷の庭近くを通っていた
その時彼らが話していた内容がこれだったのだ
“3人” この言葉に私は困惑した…
「………わたしは…?」
初めは信じられずにその日お見舞いに来てくれた雛鶴様達に問いかけた
すると彼女たちはお互いの顔を見た後に悲しげな顔で言った
『天元様は表向きは私たち3人を妻だと公表している。』と『でもそれは貴女の話を聞いて危ない目に合わせない為だと思う』などと話した
その瞬間…私の中で、なにかが崩れ始めた…
コメント
1件
こんにちは、この小説を書いた主です。 夢小説とかはじめてで、上手くかけてるか分からないですが、暖かい目で見守ってください