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どうせ会うことは無いし、どうせ将来一緒になる訳でもないのに、ただのインターネットでの関係なのに、こんなに思い悩ませられることに対して何だか腹が立ってきました。
私は元々、インターネットの人なんかとあまり親しくなったりしない、普通の価値観の人間だったのですが、彼からアプローチを受け、彼の価値観を受け入れてしまいました。彼は私を誑かしたい訳では無いようです。ただかなり変わり者なだけで、彼の気持ち自体は真っ直ぐなものでした。
そんな彼のことを受け入れはしたものの、始めの頃は彼のことを別にそこまで好きではありませんでした。私が初めて口にした「好き」も偽物でした。それが今となってはどうでしょう。まさに、嘘から出た真です。こんなに好きになるとは思っていませんでした。
彼は素直で、頭が良くて、知識豊富で、人格者です。その全てを尊敬しています。反面、憎たらしく思う事もあります。一方私は、頭も良くないし、だらしがないし、意気地無しでヘタレです。何故彼はこんな私を好いたのかと、こんな私が彼を想っていて良いのかと度々考えてしまいます。いっその事、落ちるとこまで落ちてくれないかと思う時もあります。しかし、それは望まないことです。私は彼の誠実さや勤勉さを尊敬し、惹かれていったからです。
そんな彼に私はあまり迷惑をかけたくありません。でもやっぱり、時に心の底から甘えてしまいたくなる時があるのです。私は基本強がりで、人に自分の本当の弱音を打ち明けることはあまりしません。口にした時、確実に涙が出てしまうからです。そんな私でも、彼にだけは弱音を吐いたことが1度か2度ありました。勿論涙は止まらなかったです。その時、彼は優しく受け止めてくれました。そんな対応をされたら、彼のことを好きで好きで堪らなくなってしまいますよね。その後、本当に彼のことが頭から離れなくなってしまったのです。
彼のことが頭から離れなくなってしまうと困ってしまうのです。実現するはずも無い幸福な妄想に四六時中浸りきりになってしまい、現実に向き合う事が難しくなってしまうのです。彼は画面の向こう側に確かに存在していますが、この手で触れることのできない以上、私にとって居ないのと同じことなのです。それでも苦しく思わないのは、私の現実逃避が上手くいっているからなのでしょう。
私たちは、お互いの住んでいる県、下の名前、顔以外の姿を知っています。その他にも好きな食べ物や嫌いな食べ物、綺麗だった空の写真、昔のこと、今の気持ち、体調などを普段の日常の会話から多く共有しています。さらに、通話越しではあるものの、性的な繋がりまで持ってしまっています。これは、ただのインターネット上での関係でも、もう戻れないところまで来てしまっていると思います。今だって、ただ1人の人に向ける感情について、こんなにも長い文章を打ち込んでいるのですから。
今少し情緒が不安定なだけで、こんな思いを書き連ねていますが、元に戻ればまた、毎日のおはようとおやすみを繰り返してゆくだけだと思います。彼が、私が正常になるまで。