🧡→🖤💚　夜中の電話

甘い甘い情交を終え、隣には愛しい人が眠る。

規則正しい呼吸だけが響く室内。

長いまつ毛に薄っすら浮かんだままの涙と、鎖骨から胸元にかけて残る赤い跡に何度もそっと口付ける。

さっきまで密に愛していたのに、まだ愛しさが溢れて止まらない。つくづく、阿部ちゃんを盲愛しているのだと実感する。

そろそろかなと思っていたら、案の定スマホに着信を知らせる画面。

起こさないようにリビングに移動して電話をとった。

💚「めめ眠そう」

🖤「ん。ちょっと寝るの遅くなっちゃって」

阿部ちゃんの何気ない一言に内心ドキッとしながら当たり障りのない返事をする。

そうした所で、彼の洞察力と鋭い勘に隠そうと思っていた事が暴かれたのなんて今まで何度もある。

今回も薄々勘付いているんだろう。

この日は全員での収録。

撮影の合間に思わず欠伸が出る。目元が滲んだので、メイクさんが『お疲れですね』なんて言いながら軽く直してくれた。

少し離れた所では康二が

🧡「ちょっと時間ある？あるよな、眠なるから散歩してくる」

とスタッフさんに確認してマネージャーさんとスタジオを出ていった。

パパコーデ対決の収録だった。

お父さんになりきって子どもとあそぶ阿部ちゃんはあまりに綺麗で、優しくて、眩しかった。

可愛いな、素敵だなと同時に湧き上がる『普通に家庭を持ったらああいう風になる』を見てしまった事による漠然とした不安。

帰りの車で思わず『同性カップル　養子』とか調べていた。

そして夜中、また着信で画面が光る。