翌日は阿部ちゃんがオフ、俺は午後からの仕事。
泥のように眠って、起きたらもう11時だった。
阿部ちゃんのドラマのDVDができたから午前中にでも観ようと話していたのに、ここしばらくの寝不足が祟ってしまった。
初めて夜中の着信を恨む。
もはや昼ご飯になったトーストを齧っていると、洗濯と風呂掃除を終えたらしい阿部ちゃんがリビングに戻ってきた。
💚「めめ、おはよう」
🖤「おはよう。ごめん起きられなかった、約束してたのに」
💚「仕方ないよ。最近疲れてたもんね、めめがちゃんと休めることの方が大事だよ」
阿部ちゃんはそう言って笑うけど、きっとどこかで『約束してたけど起きないな』とは思っていただろう。
昨日にわかに襲われた不安と、
時間を奪われる夜中の着信と、
優しい阿部ちゃんに申し訳ない気持ちと、
全部が心の中でぐちゃぐちゃに混ざり合う。
💚「めめ?どうしたの?」
声をかけられて我に返ると、顔が涙で濡れていて慌てて拭う。
阿部ちゃんが隣に立ち、黙って頭を抱えるように抱きしめて片手で背中を撫でてくれた。
🖤「阿部ちゃん、また泣いちゃう」
💚「泣いていいよ」
阿部ちゃんの優しい声に誘導されるようにまた涙が出る。
大切な人との時間まで食われてしまった以上、もうこれ以上隠しておくのは駄目だと思った。
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えっ、、、