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**第6話:**repeating reality
白い天井。
けたたましい蛍光灯の音。
——ここはどこだ。
陸はゆっくりと身を起こす。
周りは教室のようでいて、壁には窓がない。
机は整然と並び、黒板の上にチョークで大きく書かれていた。
「10月25日(金) 授業:記憶の再構成」
黒板の横には、担任の名札。
朝倉 結衣
「……は?」
教壇に立っていたのは、確かに結衣だった。
灰色のパーカーではなく、教師用の白シャツ。
髪はきっちりとまとめ、無表情で陸を見つめている。
「朝倉陸くん。出席確認をします。」
無機質な声。
クラスメイトたちがざわめく。
どの顔も、どこか見覚えがある。
ニュースの映像で見た被害者たちの顔——。
「ここは……どこなんだよ。」
結衣は淡々と答える。
「記録の中。」
「あなたが再生を望んだ、世界の断片。」
黒板に映像が投影される。
そこには、都庁南棟が炎上する瞬間。
そして、無数の“ZERO”のアカウントが同時に動き出す瞬間。
「りく、あなたが初めて“この投稿”を作った日を、覚えてる?」
陸の喉が乾く。
結衣が指差したスクリーンの端に、
ひとつのアカウント名が映っていた。
【ZERO(since 2023/10/25)】
作成者:Asakura Riku。