コメント
2件
初 こめ 失礼します ꒰ ᐡᴗ͈ ·̫ ᴗ͈ ꒱ 文章の書き方 凄く 綺麗で素敵でした .ᐟ.ᐟ 青桃 さん 大好きなので 続きが気になります 🥺🥺 応援しています 🫶🏻︎🤍
⚠️注意⚠️
🎲
nmmn
BL、AV男優パロ
青桃
照明が落ち着いたスタジオ裏の控室。
ソファとテーブル、そして撮影用の資料が無造作に置かれている。
「今日の共演相手は――威風さんです」
スタッフが口にした名前に、ないこの鼓動は一瞬止まった。
――威風。
今をときめく人気男優、業界でもトップクラスの知名度。
だが、その正体を知った瞬間、ないこは思わず視線を落とす。
(……うそだろ。なんで、こいつなんだよ)
胸の奥がぎゅっと縮み、冷や汗が背を伝う。
無依としての「仮面」を被り直し、表情を崩さぬように努める。
「よろしくお願いします、無依さん」
スタッフの前では威風は完璧な笑みを浮かべた。
その瞬間、ないこ――いや、無依も同じように口角を上げた。
「……こちらこそ」
表向きは冷静。しかし互いの目が一瞬絡んだとき、二人だけが理解する違和感が走る。
(やっぱり……間違いない。あの目は……まろ、だ)
(なんで、ないこがここに……?)
どちらも声に出さぬまま、スタッフの前では完璧に役を演じきった。
二人きり
撮影準備が整い、スタッフが退出していく。
扉が閉まる音が妙に大きく響いた。
残されたのは、ソファに座る二人だけ。
空調の音がやけに耳に残る沈黙。
やがて、その沈黙を破ったのはまろだった。
「……ないこ、やんな?」
低く押し殺した声。笑っているようで、目はまったく笑っていない
「……何の話だよ」
平静を装うが、指先が無意識に膝を握りしめる
「とぼけんなや。『無依』……やろ? ここで会うって……どういうことなん?」
「…………」
唇を噛む。けれど隠しきれない。あの関西訛りで呼ばれた時点で、心臓は跳ね上がっていた
揺れるやりとり
「俺、ずっと業界おって色んな奴見てきたけど……まさかないこがなんてな」
苦笑しながらも、声は震えている
「……悪い?」
短く、それしか出てこない。喉が張り付くように重い
「悪いって……お前、なんでや? 金か? リーダー、社長やってんのに……こんなんリスクしかあらへんやろ」
「……金もある。けど……それだけじゃない、 」
「ほんなら何や。趣味か? スリルか?」
机を指で強く叩きながら詰め寄る
「……俺自身の問題でもあるんだよ」
吐き捨てるように。視線は床に落としたまま
「……俺、正直しんどいわ」
頭をかきむしり、深くため息をつく
「お前のこと信じとったのに、裏でこんなことして……何も知らん顔してグループでおれるか分からん」
「……だから隠してた。ていうかまろも一緒じゃん」
声がかすれる
「バレたら……全部終わるから」
「……っ」
俺の声に、怒りと同時にどこか苦しいような感情が揺れる
「ねぇ、まろ……このこと、みんなには言わないで」
震える声で必死に懇願する
「言わん。……言わんけどな」
苦笑を浮かべ、目を逸らす
「俺は、どうしたらええか分からん。お前を責めたいのか、守りたいのか…人の事言えんし…」
気まずい沈黙
二人の間に沈むのは、言葉では埋められない距離感。
互いに顔を見られず、空調の音だけがやけに大きく聞こえる。
俺はただ拳を握りしめて、呼吸を整えようとする。
まろはソファに沈み込み、天井を仰ぐ。
――撮影開始のノックが鳴るまで、その重苦しい沈黙は続いた。