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霧が晴れたのは、昼を少し過ぎた頃だった。村の集会所の奥にある古い書庫に、etたちは集まっていた。
木の棚に並ぶ古文書は、どれも埃をかぶっている。
けれど、ここには“あの事件”の記録が残っているはずだった。
「本当にここにあるの?」
etが不安そうに尋ねる。
「あるさ。……隠されてるだけだ」
mf君が答え、棚の奥を探り始めた。
「なぁ、etさん。さっきの“白い影”って、どんな感じだったんだ?」
jpが隣でしゃがみ込みながら尋ねる。
「……人の形をしてた。声も聞こえたの。
“思い出さなくていい”って……そう言ってた」
「やっぱ、記憶に関係してんのか」
ya君が低く呟く。
「記憶……」
etは胸に手を当てた。
あの声を思い出すたび、胸の奥がきゅっと痛む。
「おい、これじゃねぇか?」
urが棚の上段から古びた帳面を引っ張り出した。
「“白夜の霧禍──記録簿”。」
mf君 が表紙を見て、目を細める。
「やっと見つけたな」
ya君が腕を組んで頷いた。
mf君は帳面を開き、静かに読み上げる。
「十年前、白夜の晩。
村を覆った霧が突如として変質し、住民の大半が消息を絶った。
生存者は一名──白霧et。当時七歳」
「……やっぱ、etさんだけだったんだな」
jpがぽつりと呟く。
「じゃあ……兄は……」
etの声が震える。
mf君はページをめくりながら答えた。
「白霧朧。行方不明扱いだ。死亡とは記されていない」
「……生きてるかもしれないってこと?」
etが顔を上げる。
「可能性はある」
yaが短く言った。
「ここに、目撃情報がある」
mf君が指を止めた。
「事件の直後、霧の中で“少年の影”がetを抱えていた、と。
それが朧なら──彼は、etを守っていたことになる」
「……お兄ちゃんが……」
etの目に、涙がにじむ。
「etさん」
noがそっと声をかけた。
「無理は、なさらないでください。霧は……とても繊細ですから」
「ありがとう、noさん……大丈夫。ちゃんと聞きたいの」
そのとき、rnがそっと手を挙げた。
「あの……外の霧、少しだけ動いてます。
何かが近づいてきてるかもしれません」
「マジかよ」
dnが顔をしかめる。
「また“白い影”か?」
hrが警戒する。
「いや、違う。もっと……薄い」
noが霧の流れを読むように目を細めた。
「でも、確かに何かが呼んでいます。静かに、でも確かに」
「行ってみようぜ」
ttnが立ち上がる。
「etさん、行けるか?」
yaが振り返る。
etは涙を拭い、頷いた。
「……うん。行こう。
私の記憶の中にある“何か”を、確かめたい」
「よし、なら決まりだな」
jpが笑う。
「真実は、霧の奥にある」
mfが静かに言った。