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「なんでお前の絵、白黒なんだよw」
「色塗れねぇの?w」
「いや、そういう訳じゃ、、」
「言い訳なんて聞きたくねーww」
「俺は色塗らない派なんだよ」
「へーwww」
「てか絵下手くそ
「、、そう」
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まじで暇、、そうだ!!
陸斗に図書館の本借りてきてもらおうっと!
あ、、スマホの充電ないんだった。
「すいません、スマホの充電器ってありますか?」
病院に充電器なんかあると思うか?
心の中の自分が聞いてくる。
「あるわよ!!使う?」
「はい!!」
あるんかい。
心の中の自分にツッコミを入れる。
俺は早速スマホを充電した。
数分後、充電は30%くらいになったので
俺は陸斗にメールをした。
𓈒 𓏸𓈒𓂂𓂃📱
『陸斗、図書館で本借りて持ってこい』
『パシリかよw代償は?』
『チョコレート10個』
『OK 高いやつな』
𓈒 𓏸𓈒𓂂𓂃
やっぱ友は持ったもん勝ちだな!
「おーい、持ってきたぞ〜」
「お、センキュ〜」
「ついでにこれも借りてきた」
そう言って陸斗は俺に1つの本を渡した。
「なんだこれ」
「暇な時読んでみろ。今のお前に必要な本なはず」
「ふむ、、」
「分かった」
「じゃあ俺帰るわ。見たいアニメがあるし」
「おっけ〜」
「じゃ、またな〜」
「またな〜」
次の日、
一通り本は読んだな、、。あとはこれだけか、、
えーと、なになに?
「絵の素晴らしさ?」
これ、、前も読んだような、、。
まぁ、気のせいか。
「絵は色が無くても色が有るように見えます、?」
いや、これやっぱ読んだことある、、。
「なんか、絵描きたくなってきた、、」
「あれ以来描いてなかったけど
久しぶりに描いてみっか!!」
そう言って俺は自分の鞄の中から
筆記用具とスケッチブックを取り出した。
あれからどのくらいの時間が経っただろうか。
今、俺の病室はモノクロの絵ばっかりだった。
その時、誰かが病室のドアをノックした。
誰だろう。
「誰ですか?」
「藍白です」
藍白さん!?あっ、そうだった、、。
今日は藍白さんの病室に行く日だった。
申し訳ない、、。
とりあえず、中に入れるか。
「入っていいですよ」
「失礼します。中々私のところに
来なかったので、私が────」
藍白さんが顔を上げた途端、会話が止まった。
「どうしましたか?」
「これ、、溯さんの絵ですか?」
「あ、そうです。久しぶりに描いてみようと思って」
「この絵、、」
そう言って藍白さんは俺の過去絵を手に取った。
「水咲 溯さんと同じ絵、?」
「ん?水咲 溯は俺の名前ですよ?」
「え?」
「どうしました?」
「え、あの、、私、、コンクールでこの絵に救われました」
え?救われた?
ということは俺が藍白さんを救った?
どういうこと?
急な発言に俺の頭の中は『?』でいっぱいだった。
「私、幼少期にこの病気のせいで
生き辛い思いをしてました。
でも、溯さんの絵に救われたんです。」
「えっと、、なんで救われたと思ったんですか?」
「色が見えたんです」
色が見えた?青以外の?
「一瞬だけでしたけど、青以外の色が
はっきり見えたんです。」
この本に書いてあったことは本当だったんだ。
「俺以外の絵を見た時、
そういう現象は無かったんですか?」
「はい」
じゃあ俺の絵だけ色が見えたということか。
俺は藍白さんが俺の絵に救われたと聞いた時、
『俺の絵はモノクロで良かったんだ』
という安心感があった。
それと同時に、
俺は藍白さんの世界に色をつけたいと思っていた。
「藍白さん、ある実験をしたいんですが、、
いいですか?」
「全然構わないですよ!!」
「今、藍白さんの頭の中に浮かんだ風景を
俺に伝えて貰ってもいいですか?」
「分かりました。」
「場所は山の上で、時間は夕方。
山の上から下を見下ろすと海雲があります。」
「了解です」
それを聞いた俺は急いでスケッチブックに
鉛筆を走らせた。
「完成しました。どうですか?」
「え、?色が見える、、一瞬じゃない?」
やっぱり。俺の考えは合っていた。
藍白さんが求めている絵や想像した絵を描くと
色がつくらしい。
どういう原理かは分からない。
でもこういう絵を見続けたら
藍白さんの病気は治るんじゃないか?
だがこれはあくまで俺の推測だった。
「藍白さん、俺、藍白さんの世界に
色をつけたいです。」
そう言ってから俺は藍白さんに
自分の推測を話した。
だが、藍白さんは
と考えているようだった。
「溯さん?せっかくだから
名前呼びで敬語外しません?」
「分かった」
「これからよろしくね溯さん。」
「こちらこそよろしく。鈴さん」
1年後、、、
「鈴、これは?」
「見える!!ずっと見えるよ!!」
「これも?あれも?」
「うん!全部見える!!溯の絵だけじゃないものも
見えるようになった!!」
「良かった、!」
そう言って俺は鈴に抱きついた。
このことを医師に話したが
成功した理由は分からないと言われた。
だが、鈴には
『治す方法が無かったから治って本当に良かった』
と言っていた。
「あの時は疑ってごめん、、」
「どうせ出来ないだろうって諦めてた。」
「でも、頑張ってる溯を見たら
私も頑張ろうって思った」
「鈴、最初は推測が本当かっていう
実験みたいなものだったけど、
俺、ずっと鈴と一緒に世界に居たい」
「だから鈴、俺と付き合って欲しい」
「答えはYESしかないでしょ!!」
そう言って鈴は微笑んだ。
もし、俺が絵を描いていなかったら、
もし、俺が美術館に行っていなかったら、
俺たちは出会ってなかったのかもしれない。
鈴にとっての鍵は
俺にとってに鍵は
だった。
自分の好きなことは続ければ、
いつかは恵まれる。
そう思って俺は今も鈴と生きている。
コメント
1件
最高すぎる!そゆうことか🥲