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私の名前は『ルリ』。今年16歳になる女の子。
ちょっと変わったところがあるけど……気にしないでね。
今日はいつものように学校へ登校して、授業を受ける。
放課後になると友達と一緒に帰ろうとしたら――
「ねぇ、一緒に帰りましょう?」
後ろから急に声をかけられた。振り向くとそこには一人の女子生徒がいた。
彼女を見た瞬間、なぜか胸が高鳴った気がした。
(えっと確か彼女は同じクラスの……)
名前は思い出せなかったけど、顔だけは知っていた。
「ごめんなさい。これから予定があって」
本当はなかったんだけど、ついそう言ってしまった。
「そうなんですか? それは残念ですね。ではまたの機会にしましょう。それじゃあ失礼しますわ」
少しだけ落ち込んだ様子を見せた後、軽く会釈をして去って行った。
その姿を見送っていると、友人が近づいてきた。
「ねぇ今の人誰だったの?」
興味津々といった感じで聞いてくる。
「さぁ? わからない。それより早く行きましょう!」
私は逃げるようにしてその場を去った。
帰宅してから部屋に入ると、真っ先にベッドへとダイブする。
そして枕に顔を押し付けた。
(どうしてあんなにもドキドキするんだろう?)
今日の出来事を思い出すだけで、身体中が熱くなるような感覚に陥る。
そのせいなのか自然治癒力がとても低い。回復魔法を使う必要がある。
しかし魔力不足のため、回復魔法の効果が薄い。そのため、治療を受ける患者たちは皆、傷口が化膿して腐っていくような苦しみに耐えながら毎日を過ごすことになる。
回復呪文を唱えるたびに患者の体は少しずつ腐敗し、悪臭を放つようになる。
そんな状態になっても、人々は「こんなはずじゃなかった」「もっとうまくいくはずだった」と思い続け、後悔と絶望を繰り返し続けるのだ。
それでもまだ、自分の過ちを認めようとせず、愚かにも運命に逆らおうとする人々もいるらしい。
まったく困ったものだね。
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