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こんばんは「クリオネ?」です。
ちょっと遅くなりましたができましたので
投稿させていただきます。
一応明日も投稿する予定です。
では、どうぞ
第8話:無音の世界での告白
約束の土曜日、午後7時。
都心の喧騒から少し離れた路地裏にある、隠れ家のようなイタリアンレストラン。
照明を落とした落ち着いた店内は、静かで穏やかな空気が流れていた。
宮舘は指定された席で、少し緊張した面持ちで座っていた。
いつも通りの端正な私服姿だが、心臓は朝からずっと落ち着かない音を立てている。
「お待たせしました、先輩」
目の前の席に、目黒が滑り込んできた。
いつも会社で見るスーツ姿とは違い、シックな黒のニットを着こなした目黒は、ただでさえ完璧な容姿がさらに引き立って見えた。
道中、間違いなく多くの人が振り返っただろうが、今の彼の視線は宮舘だけに注がれている。
店員が料理を運び、二人のグラスに飲み物が注がれる。
最初のうちは、目黒がスマートフォンを使って
『ここのパスタ、すごく美味しいって評判なんです』
などと他愛のない話題を振り、宮舘もそれに微笑みながらタブレットで返すという、いつものやり取りが続いていた。
しかし、食事が終わりに近づいた頃、目黒がおもむろにスマートフ
ォンをポケットに仕舞い込んだ。
宮舘が不思議そうに首を傾げると、目黒は椅子を引き、宮舘の正面に真っ直ぐに向き直った。
その瞳には、冗談や社交辞令を一切排した、張り詰めた真剣さが宿っている。
目黒は静かに両手を胸の前に掲げた。
そして、じっと宮舘の目を見つめながら、ゆっくりと、しかし確かな意思を込めて手を動かし始めた。
――「宮舘、先輩」
いつかオフィスで見せてくれた、あの拙い手話ではない。
この日のために、どれほどの時間を費やして練習したのだろうか。
一つひとつの手の動きが、驚くほど丁寧で、はっきりと宮舘の目に飛び込んでくる。
――「俺は、勉強が、ダメダメです。仕事も、先輩に、迷惑ばかり、かけています」
目黒は自嘲気味に少しだけ眉を下げたが、手の動きは止めなかった。
――「でも、先輩は、俺の、ダメなところも、全部、優しく、受け止めてくれた。初めて、誰かを、特別だと、思いました」
宮舘は息を呑んだ。
目黒の大きな手が、無音の空間を鮮やかに彩っていく。
その動きから、目黒の張り詰めた鼓動や、不器用なほどの誠実さがダイレクトに伝わってきて、胸が震えた。
――「会社の、みんなが、俺を、見ます。でも、俺は、先輩にだけ、見てほしい」
目黒は一度、深く息を吸い込んだ。
そして、宮舘の瞳を真っ直ぐに射抜くようにして、一番伝えたかった言葉を紡いだ。
――「宮舘先輩。あなたが好きです。俺と、付き合ってください」
最後の手話が結ばれた瞬間、目黒の手が小さく震えているのが見えた。
完璧な高身長のイケメンが、傷つくことを恐れる一人の男として、宮舘の答えを待っている。
宮舘の世界には「音」がない。
しかし、目黒の紡いだ手話は、どんな大声よりも、どんな美しい音楽よりも、激しく宮舘の心に響き渡っていた。
避けていた理由。それは、目黒のことが嫌いだったからではない。
自分の中に生まれた、生まれて初めての激しい恋情に怯えていたからだ。
しかし、これほどまでに真っ直ぐに、自分の世界に飛び込んできてくれた男を前に、もう取り繕う必要なんてどこにもなかった。
宮舘の目から、一筋の涙が静かに頬を伝ってこぼれ落ちた。
驚いて顔をこわばらせる目黒に向けて、宮舘は自分の両手をそっと掲げた。
そして、これまでにないほど優しく、滑らかな動きで手話を返した。
――「ありがとう。僕も、蓮くんが好きです。不器用な僕だけど、よろしくお願いします」
「蓮くん」と初めて名前で呼ばれた意味を理解した瞬間、目黒の顔が劇的に明るくなった。
目黒はテーブルの上で、宮舘の両手を包み込むようにギュッと強く握りしめた。
耳の聞こえない宮舘と、不器用な目黒。
無音の世界の中で、二人の心はこれ以上ないほど確かに、深く結ばれ合ったのだった。
コメント
1件
うわああああ第8話読み終えたよ〜!!😭💕💕 目黒くんが手話を覚えて告白するって…もうそれだけで尊すぎて泣いちゃったんだけど!! 「先輩にだけ見てほしい」とか、どこの胸キュンシチュエーションだよ…反則だよ… 宮舘さんの涙も、初めて「蓮くん」って名前で呼んだ瞬間も、全部エモすぎてしんどい… こんなに健気で真っ直ぐな告白、無音の世界でちゃんと届いたの、本当に良かったね… 続きも絶対読むから!!愛が溢れてるよこの作品…ありがとう😭🌸