〈 余 命 女 子 の 初 恋 〉
E p i s o d e 6
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なぜだろう。
なんとなく時の流れが速く感じたのは。
初めてピアノのことで褒められて浮かれてたのかな。
それか碧斗くんに好きだなって言われたからかな。
キーンコーンカーンコーン
先生)6限目終わったから、もう帰っていいぞー
碧)みーことっ!一緒に帰ろ?
実)あ、うん。
夕)碧斗~そんな一方的に行かないの~
というかもう6限目も終わってたの!?あっという間すぎるでしょ。
あ、まって、なんか息苦しい、
くらくらするし、
私はいつの間にか意識を手放していた。
実)あ、あれ、ここ、病院、?
碧)もう心配したんだからぁぁぁ!
夕)急に飛びつかないの、笑
夕凪も碧斗くんも泣いた跡がある。
そういえば私、教室で倒れたんだっけ。
実)もうすぐ、私、死んじゃうのかな、笑
なんでだろう。
もうすぐって言うのはわかってたのに、
逆に最初は、やっと死ねるって思ってたのに、
今更死んじゃうのが嫌になるんだろう。
ホント、自分ってめんどくさい笑
碧)ま、俺は絶対実琴のこと忘れないけどな
夕)だってさ
でも、そんなことなんかいくらでも言える。
そんなこと言いながら、どうせみんな忘れる。
そんなふうになるのが怖かった。
碧)生きる原動力、実琴なんだからね?
実)ありがと。私みたいにならないでよ
碧)へ、?
実)あぁ、いや!何でもない!
夕)これからは学校終わったらすぐ来るから!
実)じゃあ、待ってる
とは言ったがどうしても信用できない。
友達も、お母さんも、どうせみんないつか避ける。
いなくなる。
ずっとそう思っている。どうにもできない。
自分の一番いやな癖。
実)変えれたらいいのにな
まるで星空を見ているかのように言った私の言葉は、
誰にも気づかれることなく、この空気と一体化した。
そう言った時の空気は、どこか寂しそうだったのは、気のせいか。
コメント
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うわ、うんま!上手すぎ!