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あっ! 彼女が今日も出勤する、柚彦は心の中でつぶやいた
櫻崎鈴子はこの世で一番美しい人だ、そして自分と同じマンションの同じ階の住人だ
つい数日前に偶然にも(自分は奇跡的出会いと呼んでいるが)彼女に轢きかけられ、そして食べ物を恵んでもらった
それからそっと心の中ではエンジェルと呼んでる
そして彼女は謎に満ちた美女でもある、柚彦は彼女に助けられてから自分が遅番の日は必ず彼女の出勤シーンを、こっそりベランダの窓から見つめるようになった、そしてその度に疑問符でいっぱいになる
唯一断言できるのは、彼女が大きな傷を抱えていること
非常につらい目にあったに違いないが、彼女はそのことを一切口にしようとはしない
柚彦は出勤する彼女を眺めながら、初めて会った日を思い出していた
出会いは突然の事だった、いつものことながら仕事上減量はハードで苦しいものだ
でももう慣れっこだったのに・・・・
測定日までに7キロ絞らないといけなかったあの日もそうだった、柚彦はカレンダーを見て頭を抱えたなんてことだ測定日までまだ一日もある
5日間飲まず食わずの過酷な絶食を終えて、柚彦は測定日前日はもう水分も取らず、あとはただひたすら唾を吐く生活をしていた
測定日までの目標体重に体を仕上げるためだ
極度の減量でフラフラしていた、いつもなら仕事上減量中はゆっくりと食事量を減らし・・・
体が慣れてから、徐々にプロテインだけにしていって、期日までの最終日までには、いっさい水分も食事をとらないのだが
それでいつもは上手くいったし、空腹でめまいなども起こすことはなかった