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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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なんで…なんでこんなことするの?

大切な人たちが、血まみれで倒れてる。

私の…私の大切な人たちを奪って…

絶対…絶対復讐してやる…

…………………

私は隣の光景を見る。

「おどろくちゃん!?どうしたの!?」

「ひぐっ…凸さん、転んじゃった…」

凸さんは急いで幼い頃の私に絆創膏を貼る。

「…はい、これで大丈夫。」

「凸さんありがとう!」

幼い頃の私が、凸さんに抱きつく。

「わっ、おどろくちゃん抱きつくなよ〜」

「えへへ〜」

……………………

右と左で、こんなにも差がある。

幸せか、そうでないか、

少なくともあの時みたいな幸せは、もう戻ってこない。

なんで、どこで間違えて…


そこで目が覚めた。

「はあっ、はあっ…」

乱れた息を整える。

……………もう私は、後には戻れないんだ…



「ご、ごめんなさい…謝るから、命だけは…」

「………」

俺は無言で撃ち殺す。

「さもさん、あんま無理すんなよ?」

凸さんが俺の肩に手を置く。

「わか、ってる…」

俺は殺すのが苦手だ。

殺そうとしても相手を仕留められないわけじゃなくて、相手を殺そうとする気持ちがないことに対しての『苦手』だ。

まったく殺意がないってわけじゃないよ?

けど…殺す覚悟ができない…

教育係である凸さんに戦闘技術を教えられて、昔は敵である政府と戦うことに躊躇いはなかった。

はっきりと苦手意識を感じるようになったのは、今から3年前のこと。

俺はそれまで政府の情報とか武器を奪う仕事がほとんどだった。

ある日、おどろくさんから殺しの命令をされた。

初めての殺し

相手を撃ち殺した時の体の震え

吐き出しそうなほどの鉄の匂い

目の前に広がる赤い水溜り

嫌だった、もうあんな感覚は味わいたくなかった。

けど、俺達はおどろくさんの命令に従う操り人形だ。

それに、殺せば殺すほど嫌でも慣れてしまう。

どんどん殺すことへの迷いがなくなってきて、俺は自分が自分じゃなくなくなってしまうんじゃないかって、物凄く怖い。

俺、こんなのことしたくてodmnに来たんじゃない…

「………は、ぁ…」

息が荒くなる。視界が歪む。

「……………っ」

俺はそのまま、意識を手放した。

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