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「………ぁ」
あれ、ここは…
起き上がって周りを見渡す。
医務室だ。
「あ、さもさん起きた?」
凸さんがベットボトルを持って俺の側に駆け寄ってくる。
「凸さん…?」
「さもさん熱あるよ。あの後倒れたさもさん運ぶの大変だったんだからなー?」
…そういえばなんか体がだるい。
喉が渇いてるのを自覚して、俺は凸さんから受け取った水を飲んだ。
「…ありがと凸さん。」
「ま、仲間だし、こういうときはお互い様だろ?」
………
仲間、かあ…
「………凸さんは、人を殺すことに躊躇いってない…?」
俺がそう聞くと、凸さんは一瞬考え込むように黙った。
「…ん、まあ子どもの頃から、odmnができる前から人を殺してきたからな…躊躇いなんてないかもな」
「………でもなさもさん、俺がさもさんに殺しを教えたのって、なんでだと思う?」
「え」
なんでって…そんなの仕事、おどろくさんからの命令のためじゃ…
「………甘い、俺はさもさんの心を守るために殺しを教えたんだ。」
俺の…?
「さもさんを拾ったとき、思ったんだよ。これからodmnの人間として生きていくなら、政府の醜いところなんていくらでも見る。殺しだっていくらでもすることになる。そんなとき、政府の醜さにさもさんが耐えられるとは思わなかった。」
「………」
「殺しは、さもさんにとって唯一の自分自身を守るための手段だと思った。それだけ」
………自分自身を、守る…
政府の醜さを、俺は真正面から見たことはない。
ただ、政府は俺たちに限らず、街の人たちを虐げてきた。
殺しは俺にとっての抵抗なのかもしれない。
少しだけ、心が軽くなった気がした。
「………とつさ、ぁり、がと…」
自分でもびっくりするほど涙声だったと思う。
だってその証拠に、俺の目からは涙が溢れてたんだから。
「…ま、それでも今のおどろくさんの状態は異常だと思うけど。」
そうだ、今のおどろくさんは復讐に囚われている。
「………俺たちがなんとかしないとだね。」
「だな、今のままだと、おどろくちゃんは心が壊れる…助けないと。」
…昔からおどろくさんの側にいた凸さんだからこそ、おどろくさんの辛さがわかるのかもしれない。
俺は眠気が襲ってきて、そのまま倒れるように眠った。