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「あ、あべちゃん、おかえり」
今日は俺の方が早く仕事が終わったから、あべちゃんの家のソファで帰りを待っていた
「ん、ただいま」
(あ、今日…)
いつもより低い声のトーンに、背中がゾクりとする
「あべちゃん…?疲れてる…?」
まっすぐに俺の方に向かってきて隣に座った阿部ちゃんの顔を覗き込む
「翔太」
「っ!…はい」
(やっぱりだ…)
阿部ちゃんはちゃんとした人だから、基本的には自分で適度に息抜きをして過ごしているけど、ちょっとしたストレスや疲れが知らず知らずのうちに溜まってしまうみたいで、何ヶ月かに1回ちょっとダークな感じになる時がある
いつもの優しくて爽やかな笑顔と穏やかな声じゃなくって
沼のように暗い目と、低くて威圧感のある声色になる
こうなった阿部ちゃんは、癒しを摂取するかのごとく、ただただ俺を愛でまくる
別に拘束されたり酷いことは一切されないし、なんならその口から出てくる言葉は、いつも以上に甘い台詞ばかりになるのに
重みを感じるその雰囲気に、俺は全く身動きが取れなくなって、脳が痺れて逆らえなくなる
圧倒的な支配に心地よさすら感じて、酔いしれてしまうのだ
「翔太、キスしたい」
「うん、、、んっ」