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「ねえ、そこの君。これから遊び行かない?
運命感じちゃったんだけど」
甘ったるい、安っぽい香水の匂いが鼻を突く。
男の吐息が混じった、
湿り気のある声。
「……運命?」
ビルの隙間から吹き抜ける、
排気ガスの混じった生温かい風。
「そう。君みたいな可愛い子、
放っておけないでしょ」
男の手が肩に触れようとする。
その指先の、
まとわりつくような脂ぎった感触。
「未成年に声かけていいと思ってんの?」
街の喧騒が、一瞬遠のく。
心臓の鼓動よりも鋭く、冷たい視線が男をじっと見つめる。
「え、あ、いや……」
点滅するピンクのネオンが、
男のテカった頬を不気味に照らし出す。
「てか、化粧浮いてるよ。おっさん」
遠くでパトカーのサイレンが鳴り響く。
男の喉が、引きつった音を立てて上下した。
「っ……(絶句)」
男の顔から血の気が引き、
脂汗がネオンの光を弾いて鈍く光る。
少女がゆっくりと、
その華奢な指でスマホの画面を男に突きつけた。
「はい、お疲れ様。
――今の、いい画(え)が撮れたわ」