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意識を朦朧とさせながら、目をゆっくり開けてみる。

一面青しかない…息も出来ない。体がとてつもなく重い。底なし沼のように、ズブズブと沈んでいく。

目を閉じると懐かしい顔が浮かぶ…。

『…会いたいな…』

口が自然と動き、気泡が空へ向かっていく。

これで4200回目の自殺、約109万5千日目の日の出が視界の端から見える。傷だらけの手で光を遮る。

こうしてトゥナの一日が始まる。また目をつぶり、小さな体で、ゆっくり海底へ沈んでゆく。

トゥナは歴史を語る物が大好きだから、自殺する場所はいつも海。自殺と言っても自殺未遂事件で事は終わるのでニュースにもあまり載らない。

救急車とパトカーのサイレン、ヘリコプターの音が遠くから聞こえてくる。

『今日は多いな…助けなくていいのに…』

トゥナはそう思い、気を失った。

ここは、2022年真冬の千葉県。トゥナは3000年前に生まれた不老不死の少女。色んな国の色んな場所で自殺未遂事件を起こしている大問題児…そう世間では知られている。トゥナ自身が「親の世界一周旅行について行っている」と警察に話し、不老不死の事を隠している為である。トゥナが発見され、海から引き上げられた時の表情はいつも笑顔だった。警察が尋ねてもトゥナは口を固く閉じるので、理由は誰も知らない。

消防隊は幼い子供を、海から引き上げ、救急車に乗せた。周りで集まってきた大人たちが騒ついている。


…トゥナは今日も笑顔だった…。

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