その日以来、本当に阿部ちゃんはしょっぴーのことを言って来なくなった。1日や2日で恋心がなくなるはずもなく、阿部ちゃんの視線はやはりどこかしょっぴーを追っている。
ある日。
グループ仕事のバラエティ番組の雑談で、恋愛の話になった。変な方向に話がいかないといいなと思っていたら、話の矛先が阿部ちゃんに向かった。
頭の悪そうな女性タレントが阿部ちゃんを揶揄う。
『阿部さんって、片想いのままいい人で終わりそう』
配慮も遠慮もない無神経な一言なのに、誰も否定しないで話が盛り上がっていく。阿部ちゃんも一緒になって笑っていた。
その場にいる俺だけが。
イライラしたまま不機嫌を隠せずにいた。
収録後のスタジオで、俺はその女性タレントを捕まえた。阿部ちゃんが慌ててついてきた。
🖤「謝ってください」
💚「めめ?」
🖤「阿部ちゃんを侮辱したこと謝ってください」
俺の代わりに頭を下げる阿部ちゃんに引き離されて、その場はなんとか収まった。
💚「俺は気にしてないから」
🖤「ごめん。もう俺のことは放っといて」
💚「めめ?」
🖤「バカだってわかってるけど、俺は嫌だから。ああいう空気も、笑ってる阿部ちゃんも」
💚「……」
🖤「もういい?」
俺は阿部ちゃんの手を振り払って、興奮したまま次の仕事へと向かった。
コメント
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さすがめめ…まっすぐだわ