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『ん…』
目が覚めると、肌触りが良い布団をかけられベットに横たわっていた。
(どこだろ、ここ)
「おい」
『!』
横にはどこかで見たことあるような、ないような人が座っていた。
黒い髪に少し焼けた肌。眉が太くてパッと見怖い見た目をしている。
(ジャージ…城西の人だ。)
「もう大丈夫か?」
『あ、えと、はい。』
『あの、助けてくれたんですか?』
「ああ。」
「先に気づいたのはこっちだけどな。」
その人が指さす先には、例のエース、及川さんが立っていた。
(全然気づかなかった…。)
「やっほ〜!及川さんで〜す」
「おい。今は混乱するからやめとけ、」
「クソ及川。」
「岩ちゃんひどい!!」
(岩ちゃん…?あ、ジャージに岩泉って書いてある。)
助けてくれた人は岩泉さんだと分かった。
(なんか愉快な人たちだな、)
私はおふたりが話すところをぼーっとみていたが、すぐに烏野のことを思い出し、はやく出ようとする。
『本当にありがとうございました。岩泉さん、及川さん』
立ち上がろうとするが、足に力が入らず倒れかける。が、また岩泉さんが支えてくれた。
「! おい」
「お前酷い貧血だったんだ。すぐ立てねぇよ」
『す、すみません。』
『お二人共忙しいでしょうし、もう行ってもらって大丈夫ですよ。』
「いいよいいよー!」
及川さんがテンション高めに口を開く。
「それより。君かわいいね〜!良かったらインスタ交換しよ〜!」
及川さんはぐるっとベットの反対側に行き、私の体を寄せる。
『え、あ、あの』
「おい、クソ川やめろ。」
岩泉さんが鋭い目を及川さんに向けた後、私に視線を移す。
「お前、早速変なのに絡まれてんな。とりあえずこっち来い。」
岩泉さんが及川さんの手を払い、私の体を強く寄せる。
『ちょ、あの!』
『お二人共インスタとか…交換しませんか?』
私は喧嘩が始まったらまずいと思い、意味わからない解決策を提案した。
「ええー!いいのー?」
意外にも及川さんがウキウキして、2人とも交換してくれた。
と、同時に保健室の扉が開く。
「おい、集合かかってんぞ。」
「ごめんごめーん!じゃ、ゆりちゃんまたね」
(え、なんで名前、)
私に岩泉さんが小声で私に耳打ちをする。
「ああ言う変なやつには気をつけろよ。」
…2人とも出ていってしまった。
(と、とりあえず行かなきゃ。)
頑張って立ち上がり、私も保健室を出た。
<続く>
皆さんこんにちは。角取りです。
前回、西川を岩泉が受け止めたシーンありましたよね。あそこが少々気に入ってしまったので、三人称視点で解説をしていきたいと思います。
まず、西川に重度の貧血によりめまいと腹痛が襲いかかってきて、この時西川は助けを呼ぼうと周りを見渡しましたが誰もいませんでしたよね。
実はこの時、及川と岩泉は居ました。でもこちらに歩いて来る途中だったので、西川には見えなかったんです。
そして、西川が倒れる寸前に及川がフラフラしてる西川に気づきます。及川はまずい!と思い、咄嗟に「岩ちゃん!!」と叫びます。
その声に反応して岩泉も気づき、持ち前の運動神経で間一髪、西川を助けたということです。 すごい!!!
個人的に2人の阿吽の呼吸感が出せて良かったかなあ、と思っています。
まあこんなに考えないとなんだけどね!
それでは皆さん、さようなら。
PS,これからも気に入ったシーンがあったら解説するかもです。
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