🖤「…はぁ」
熟睡できなかったから身体が重い。
収録で会っても、家に来ても、阿部ちゃんは至って普通。
怒っても落ち込んでもなく、会話も立ち居振る舞いもすべてが普通。
ただ、次は会おうと言っていたにも関わらず俺の予定について何も聞いてこなくなった。
自分から休みあるんだけど、とも何となく言いづらいまま日は過ぎた。
遠出の予定をしていたオフの日。
ラウールとしょっぴーは俺と過ごす気にはなれないと、それぞれのパートナーとのデートにあてたらしい。
俺は家で1人ぼんやりして過ごしていた。
🖤「阿部ちゃん、何してるのかな」
メンバーの何気ない会話で今日の予定がなくなったのはわかっていたはずだけど、阿部ちゃんはそれでも俺の予定を聞かなかったし、自分の予定も話してくれなかった。
自分からも声はかけられなかった。あんなふうに突き放されたのが初めてで、戸惑っていたんだと思う。
それでも声が聞きたくて、何をして過ごしているのか知りたくて、電話をかける。
🖤(…出ない)
休みの日にこんな事なかったのに。
狼狽えていたら珍しくふっかさんから電話がかかってきた。
💜「めめー、今日時間ある?」
あの日、阿部ちゃんに寄り添ってたふっかさん。
何か言われるんだろうなと思いながら、待ち合わせた個室のカフェに行く。
ふっかさんは先に着いていて、飲み物が揃うと開口一番、阿部ちゃんとケンカしたの?と聞かれた。
🖤「ケンカかはわからないけど…」
と濁す俺を見ているふっかさんの口からは、想定外の言葉が出てきた。
💜「2人の事情には口出さないけどさ、今のままなら俺阿部ちゃんにいくけどいいよね?」
🖤「はい?」
💜「大切にしないならもらっちゃうよ。マイペースもいいけど大概にしなねー」
冗談めいた口調で、でも真剣な目で真っ直ぐに俺を見つめてふっかさんは確かにそう言った。
言葉の真意がわからないまま、じゃあ仕事行くねーと立ち去るふっかさんを見送るしかなかった。
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えっ!ふっか!?