コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「ん? どーしたのらっだぁ」
れうさーんと彼の名前を呼べば、わざわざ読んでいた本を閉じて此方に来てくれる。ソファにいる俺の隣にすとんと座って此方の顔を見て首をかしげる彼。
そんな彼を、思いきりぎゅーっと抱き締める。
「へへ、れうさーん」
「はぇ!? らっだぁ!?」
顔をほんのり紅くして照れる彼は、彼氏とは思えないくらいのあざとさである。いひひ、と見上げて笑えば、困ったような笑顔が見えた。そのままれうさんの頬をつんつんとつつく。
腕をれうさんの腰にまわしてぎゅーっと思いきり抱きつけば、彼は少し焦って俺を軽く押す。しかし力はそこまで入っていないので、押された分思いきり抱き締めた。
そこでひょいっと顔を上げて、上にあるれうさんの顔を見上げる。少し焦ったれうさんらしい表情である。
「やーい、ヘタレ」
にししとからかうように笑って、彼の腹部へと顔を埋める。抱き締めながら、まるで猫のように頭を擦り付けていると、れうさんが頭をぐんって持ち上げてきた。
「っえ……な、なに? れうさん?」
いつもの彼がしないことに驚きながらも、彼とぱちりと目が合う。先程の焦った表情とは打って変わって、冷静かつ男らしくかっこいい落ち着いた表情をしていた。
なに、と聞こうとした瞬間、唇にふにっとした感触が伝わった。少し経った後、すっとれうさんが離れた。
「……やーい、ヘタレ」
そうしてれうさんがくふふと笑った。
きっと今、俺は顔が真っ赤だろう。それを隠すために、またれうさんの腹部へ顔を埋めた。
……反則じゃん、そんなの。