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薄く色の抜けた茶色い髪に、紫の瞳……
見た目は軽くて、遊んでいるようにも見える彼は、本当はとってもやさしくて気づかいのできる人なんだと思う。
私の知らない彼の姿は、まだたくさんあるのかもしれないけれど、少しずつでも知っていくことができるなら、それだけで嬉しかった。
「うれしい。銀河といられることが……」
「ああ、いつでもおまえといっしょにいてやるから」
銀河がふっと笑顔を見せて、
「おまえは、俺が選んだ客だからな…」
と、付け加える。
「うん…」
彼が私を選んでくれたということが、たまらなく幸せに感じた。
「今夜は、ありがとう。銀河」
「ああ、いい夜を過ごせたか?」
「うん…キスも、してくれたから…」
唇を指で触ってみる──まだ、ほんのりとキスの余韻が残るのを感じつつ、
「今日は、もう帰るね…」
と、傍らの彼に告げる。
「送ってくか?」気遣うように尋ねられて、
「ううん、大丈夫」と、首を横に振った。
銀河に手を取られ、お店を訪れる時に下りてきた大階段を一緒に上がる。
出入り口のドアが、銀河の手でゆっくりと引き開けられた──。