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りとside
記憶喪失になった私はユカリという少女によって国をまわる事になった。自分の事と常識はわかるので、観光には困らないと思う。
「一応、このローブを着ましょうか」
「え、別にこのままでもよくない?」
「りとさんの髪色や目の色は珍しいですし、服もボロボロです」
確かにと納得し、薄茶色のような濃い緑のようなローブを羽織りユカリと小屋を後にした。
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城下町は思ったよりガヤガヤと騒がしくて、屋台も出ていた。ユカリが通行人に聞くとお祭りがあるらしい。そんな日に抗争なんて物騒だ。そう言うと、少しだけ笑ってそうですねと返された。何故だかわからないが、違和感を覚えた。
屋台で串焼きを2つ買い、二人で食べ歩きをした。見るもの全てが新鮮で、視界を狭くするローブを取りたい気分になったが、ユカリが見ていたので取ることは出来なかった。
「宿をとったら外していいですから」
「,,,わかった」
その代わりのように、ユカリがりんご飴を買ってくれた。硬貨は私の方が多かったのに。誰かはわからないがずっと前からこうやって優しくしてくれた人がいた気がする。1人ではなく、何人か。それをそのまま伝えると旅の中で会った人の事じゃないかと言われた。
人混みに疲れてしまったので、少し高めだがいい宿をとり休憩することにした。やっとフードを外せ、窓を開けて風を浴びた。少ししたら、ユカリが冷たい飲み物を持ってきてくれた。お礼を言い外を眺める。祭りの気分で町が賑わっており、静かなのは目覚めた時にいた森くらいだ。ふと気になった事があり、ユカリに聞いてみることに。
「ねぇユカリ」
「どうしました?」
「なんで私達は国境近くの森にいたの」
違う国に行くとしたら反対方向に行って手続きをしなければいけないはずだ。ユカリは一瞬顔をしかめ、繕うように戻した。
「森には,,,この国にしかない花を、許可を取り見に行って、記念に採取しようとしてたんです。その時に,,,その,,,」
ユカリから少しずつ元気が消えていく様に感じた
「ユカリのせいじゃないと思うよ。私が決めた訳なんだし」
「そう、ですか,,,りとさんがそう言うなら,,,」
今頼れるのはユカリだけなので、私のせいで再起不能になるととても困る。そう、 あくまでも私の為だ。
「他に見たい場所や行きたい所はありますか?」
「服屋と、夜にある祭りも気になるかな」
「そういえば、まだ行ってなかったですね」
「祭りまで店で待ってようか」
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服屋では悩みに悩んだ末、紺と黄色がメインの夏服にした。ローブを着るので夏服がちょうど良い。下はかさばらないようズボンにした。ワンポイントでクローバーのキーホルダーをベルトにつけると、ユカリがなんとも言えない顔でこっちを見てきた。聞く暇もなく購入しに行ったので、何がダメなのかはわからない。
店を出ると夜になっており、奥の方で屋台の灯りがもれている。もう一度屋台の方に行くと、笛や太鼓の音が聞こえてくる。祭りの雰囲気に誘われ、少し屋台で遊ぶ事になった。