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***キャラ
******想いの矢印
******感情の方向
******ダビ
******→ 哀
******溺愛・執着・守りたい
******哀
******→ ダビ/↔ ホークス
******本命と揺らぎの狭間
******ホークス
******→ 哀
******優しさと抑えた恋心
******トガ
******→ 哀
***興味・嫉妬・羨望
🔹第1章 「入学式での出会い」
春の風が、焦げた匂いを運んできた。
桜の花びらが舞う中、雄英高校の正門前。
哀は制服の袖を握りしめ、校舎を見上げていた。
新しい場所、新しい出会い。
――そして、嘘のない自分でいられるかもしれない期待。
哀(心の声):「ここなら……本当を探せる気がする。」
その時、すれ違う青年。
黒いコートの裾、白く焦げた皮膚。
彼は無表情のまま、哀の横を通り過ぎる。
青い炎のような視線が、一瞬だけ彼女を射抜いた。
哀(心の声):「……この人、痛いほど“本当”だ。」
その青年――**荼毘(轟燈矢)**は、入学式の壇上で他の生徒たちとは違う空気を放っていた。
周囲がざわめく中、ただ一点、彼の目だけが虚無を見つめている。
そして視線を動かすと、哀と目が合った。
一瞬、時間が止まる。
炎と静寂。
燃えるものと、見抜くもの。
⸻
式が終わり、クラス分けの掲示板の前。
哀が1-Aの名簿を見つめていると、背後から軽い声がした。
「ねえ、君もA組?」
振り返ると、明るい笑顔――ホークスだった。
まだ推薦組として有名ではあるが、その軽やかさに哀は少し戸惑う。
哀:「……うん。あなたは?」
ホークス:「同じ。あ、俺、鷹見。ホークスで呼んでいいよ。」
哀:「……あい。」
ホークス:「いい名前だね。優しそうで。」
軽い言葉。でも、どこか嘘がない。
哀は思わず小さく微笑む。
その笑顔を見た瞬間、ホークスの胸に一瞬のざわめきが生まれた。
ホークス(心の声):「……なんだろ、今の感じ。」
⸻
教室で再び顔を合わせる。
ダビは窓際の席に座り、外を見ていた。
哀がその隣の席に立つと、彼はちらりと視線を寄越す。
哀:「……隣、いい?」
ダビ:「勝手にすれば。」
冷たい声。けれど、その奥に微かに迷いが見えた。
彼の手の甲に火傷の痕。
それを見た哀は、ほんの少しだけ手を伸ばした。
そして、触れる――
次の瞬間、胸の奥に“脈動”が走る。
ダビの中に、嘘がなかった。
哀(心の声):「……この人、本当に生きづらい。」
ダビ:「……何、今の?」
哀:「私の“個性”。嘘を感じるの。」
ダビ:「……へえ、面倒な個性だな。」
哀:「……あなたは、嘘をついてない。」
その言葉に、ダビはわずかに目を見開いた。
誰にも見抜かれなかった“本当”を、彼女だけが掴んだ。
⸻
そして、廊下の端。
二人のやり取りを、羽根一枚を通して見ていたホークスが小さく呟く。
「……あの炎に、あの子、触れたのか。」
春の光の中で、
焦げた心と優しい手が初めて出会う――
三角関係の物語は、ここから静かに始まった。
次の章は「🔥第2章:はじめての訓練」で、
ダビの暴走した炎を哀が止め、ホークスが割って入る――三人の関係が揺れ始める場面。