真っ暗なんだ
ただ
真っ暗で
前も後ろもなくて
上も下もない
だから自分もわかんないの
もう
わかんないの
⚠︎グロ?注意
「あれ、何してるの?」
こちらを覗き込む顔。もう休み時間なのか。そういえば周りが騒がしい。手を下ろして視線を返す。
「あー…目触ってる。」
「え、なんで……。」
「眼球の形が指に直に伝わってくるの楽しいよ?」
「いやなんか怖wでも地味に気になるんだけどw」
「ならやってみれば?」
「え…分かった。」
そう呟き手を伸ばす。ほんと純粋だな…。
「ん…確かに眼球の感触は伝わってくるけどさー……。」
「うん。」
「…これ楽しい?」
「いや別に?」
「なんだ…。やる意味なかった……。」
「ははw」
話の手を一度止めて身体の手を動かす。両手で軽く眼球に触れながら肘をつき視線を落とす。
つまらないとも意味がないとも思わないんだけどな。
「おい待てよ〜!w」
「うっせー!w」
…うる……っ………
強い音が響く。体が横に倒れていく。頭がつく。痛みを感じる。
いたい。
地面についたのであろう肘と
捻ったのであろう足首と
刺したのであろう目が
いたい。
あつい。
真っ暗闇だ。何も見えない。あぁ…そっか。ここは…ふかふかだ…ベットの上?
はやく
目を
覚まさなきゃ。
いつまで経っても視界は真っ暗で何も見えない。
しょうがない。体を起こそうか。
「…!!起きたの!!」
声だ。さっきまで話してた友達だ。
「うん。ごめん。」
「なんで謝るのさ…なにも…なにも…悪くないのに……っ。」
なんでそんな辛い声を出すんだ。
ほら。手を伸ばして頰を包み込み、大丈夫でしょ?って
言ってあげるんだ。
「…どこにいるの?
ねぇ。何も見えないの。なんでこんな真っ暗闇なの?…あ、そうだ。電気か。つけてよ。
…ねぇ。つけ……てよ…。」
分かるよ。その反応なら。僕はもう見えないんだ。ずっと、ずっと、真っ暗闇の中に立つんだ。
指先に温もりを感じる。そっか君はそこにいるんだ。
でも。僕からはもう伸ばせないんだ。君の手を取ることすら出来ない僕に一体どうしろって言うんだよ。
ああ。
僕はどこ?
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