テラーノベル
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「――チェリル、ほーら! お父様とお母様はここだよーっ!」
「私たちの可愛いチェリル! 今日も世界一愛らしいわ!」
大通りを揺るがすほどの、あまりにも場違いでデレデレな大声が響き渡った。
見れば、あの豪華な馬車の窓から、世界の均衡を司るはずの精霊王チリガナと精霊女王リルナが、身を乗り出すようにして激しく手を振っている。
周囲の人間たちが「あの偉大な精霊王様がなぜあんなに乱れているんだ……?」と唖然とする中、二人は愛娘の姿を見つけて完全に理性を失っていた。
チリガナ「チェリル~! 悪い虫はついてないかい!? お父様がいつでも吹き飛ばしてあげるからねーっ!」
リルナ「あら、隣にいる黒マントの男の人、なかなか見所がありそうじゃない? チェリルの婚約者候補かしら!」
(おいおいおい、親バカのレベルがカンストしてやがる……!)
俺は黒いフードの奥で冷や汗を流した。
中身が三十路のサラリーマンな俺にとって、お相手の両親、それも世界最高峰の権力者からの「婚約者」なんてワードは刺激が強すぎる。心臓がバックバクだ。
リリス「な、なによこれ……。信じられない……っ!」
すぐ傍らで、聖女リリスが完全に蚊帳の外に置かれ、悔しさと困惑で顔を真っ赤に染めている。男癖の悪さと嫉妬心でマウントをとろうとした聖女だったが、本物の「世界の中心」にいる親バカたちの前では、手も足も出ないようだった。
チェリルはといえば、両親の猛烈なデレデレっぷりに慣れっこなのか、相変わらず羽ペンをイジイジしながら、ただ小さくため息をついていた。
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コメント
15件
いいねぇ
いやもう最高すぎるだろこれwww精霊王夫妻の親バカっぷりがカンストしてて笑ったわ。世界の均衡を司る立場の二人が、娘見た瞬間に理性ぶっ飛ぶとかギャップ萌えすぎる。黒マントの俺(三十路サラリーマン)が婚約者扱いされて冷や汗かくシーン、めちゃくちゃ共感した。聖女リリスが完全に空気になってるのも痛快で、チェリルの淡々とした反応も含めてキャラの掛け合いが絶妙だった🔥