テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#ご本人様とは一切関係ありません
KamassKRRR (くらリ
1,610
第六十一章 【番外編】恋のプロモーション
深夜の紫寮。
カツカツとヒール音が鳴り響き、とある部屋でその足音が止んだ。
翔太は明日のアラームをセットするため、切っていたスマホの電源を入れ、ゴクリと生唾を飲み込むと、毛布に包まり息を潜めた。
その直後だった。
――ブルッ。
手元でスマホが震えた。
翔太は毛布の隙間から腕だけ伸ばすと画面を見ることなく再び電源を落とした——。
亮平💚「翔太?……大丈夫?…………寝ちゃったみたい」
台風の影響を受けて降り出した雨は、降ったり止んだりを繰り返し、時折強風に煽られた洗濯物が、カタカタと音を立てた。
蓮 🖤「……で、あの件の進捗は?」
亮平💚「えっ?……あぁ、お偉方への説明と謝罪は終わりました。教授戦は辞退です」
蓮 🖤「そうか……本当にそれ良かったのかよ?」
亮平💚「ま、次は医局長でも目指しますよ」
翔太💙「え!?教授戦出ないの?二人に1票ずつ入れようと思ったのに」
モグラ叩きのようにひょっこりと布団の隙間から顔を覗かせた翔太は、蓮と俺の二人の間に顔を出すと交互に顔を見やった。
亮平💚「あんた入れる票なんて持ってないわよ」
蓮 🖤「フハッ翔太最高。理事と教授しか票は持たないんだ」
恥ずかしさのあまり布団に再び体ごと沈める。
顔から火が出そうなくらい熱かった。
亮平💚「今はそれよりも大事なものがあるからね」
蓮 🖤「相変わらず営業トークだけは一人前だな」
亮平💚「営業じゃなくて内科医なんだけど?」
翔太💙「営業……?」
蓮は小さく肩をすくめて笑った。
蓮 🖤「似合ってるだろ。スーツ着せたら、そのまま営業部……と言うよりは経理部か。やたらと締切にうるさそうだ」
亮平💚「じゃあ蓮は?」
蓮 🖤「俺?管理職だろ。海外赴任のスーパーエースっていうのも悪くない」
翔太💙「なんか似合う///」
三人で笑い合う。
翔太💙「じゃあ俺は?」
亮平💚「うーん……」
蓮 🖤「新入社員」
翔太💙「やだ!なんで何処にいても新人なんだ。ブチョーがいい」
亮平💚「冗談でしょwww絶対コピー機の前で迷子になる」
翔太💙「ならないし!」
亮平💚「はいはい。きっと、気の利く優しい営業部長さんだわ」
亮平に優しく頭を撫でられ、そのまま首筋に顔を埋める。背中にはピッタリと隙間なく蓮が抱き付いて、亮平たちの声を遠くに聞きながら、安心の中にゆっくりと瞼が下ろされていく。
雨音だけが部屋を満たし、カタカタと音を立てていた洗濯物の音は次第に暗闇へと消えていく。意識は静かに夢の中へ溶けていった。
次に目を開けた時、俺は見慣れないスーツを着ていた。
見覚えのない場所、行き交う人。
柔らかなカーペットの上に上質な革靴を履いた自分の姿が、高層ビルのガラス戸に映る。
窓際の特等席に俺のデスクはあった。
「部長!何度言えば分かるんですか?」
翔太💙「んえっ……おっオレ?」
慣れないネクタイは苦しくって、成人式以来のスーツはなんだか窮屈だ。日頃ミニスカワンピ姿を強いられているせいだ。
領収書の束をデスクに乱暴に投げ捨てたのは、首から電卓を幾つもぶら下げた長身の男。
翔太💙「リョウヘイ?」
亮平💚「シーっ!言ったでしょ会社では下の名前で呼ばないで」
いきなりネクタイを掴むと、亮平は耳元で声を潜めた。
亮平💚「部長、ちょっと大事な話が……会議室まで来て」
わざとらしく低い声を響かせて、くすぐったさに肩を窄める俺を他所に笑顔でウインクした亮平に胸が鳴った。
翔太💙「あっ……はい///」
亮平の後を追うように会議室へ向かう。
すれ違う他の社員たちが軽く会釈をして通り過ぎていく。慣れない光景に少し落ち着かない。
「しょうたさん♡何処行くんです?10時から私と会議でしたよね?」
白い首元を露わにした水色のフリルのシャツはいやらしさはなく清楚で、白いタイトスカートはとても上品。足元はさほどヒールの高くない紺色のローヒールパンプス。
ゆっくりと下から上へと顔を上げると、同じくらいの目線の位置に止まったミディアム丈の髪の毛を外側に跳ね上げさせた可愛らしい女子社員が、片手にポテトチップスらしい袋を抱えて佇んでいた。
翔太💙「さっ……佐久間さん?」
さく美🩷「やだぁ//さく美って呼んでって言ったじゃないですか」
翔太💙「さっ……さく美さん?」
さく美🩷「うんうんいい感じ♡早くいきましょ会議室」
亮平💚「ちょっと待ちなさい。会議とは?」
さく美🩷「え? 広報部と営業部の新商品打ち合わせですけど?」
亮平💚「……新商品?」
さく美🩷「そう♡クリスプの新作です。部長に直接プレゼンしたくて」
翔太💙「クリスプ?」
さく美🩷「はい♡今回の新作、絶対部長に気に入ってもらえると思うんです」
亮平💚「……俺も経理部として確認しておこうかな」
さく美🩷「経理部は関係ないですよ?」
亮平💚「……そう?」
さく美🩷「それに、今日は部長と二人でお話ししたいので♡」
亮平💚「…………」
翔太💙「亮平?」
亮平💚「部長。俺との大事な話は?」
翔太💙「あっ……」
さく美🩷「じゃあ、そちらは午後にしましょう♡」
亮平💚「いや、今」
さく美🩷「今は私が先約です♡」
亮平💚「…………」
翔太💙「……亮平?」
亮平💚「営業部長って、人気者なんだね」
にっこり笑っているのに、なぜか目が笑っていない。
俺は、その笑顔が一番怖かった。
カツ、カツ、カツ。
廊下から、規則正しい足音が近づいてくる。
その音が止まると、会議室の前にひとりの男が立っていた。
仕立ての良いダークスーツに、紫色のネクタイ。
細身のフレームの眼鏡の奥で、その瞳がゆっくりと細められる。
照明を受けたレンズが、一瞬だけきらりと光った。
長い指で眼鏡のブリッジを軽く押し上げる仕草さえ妙に様になっていて、秘書という肩書きからは想像できないほどの色気と貫禄を漂わせている。
周囲の話し声が、いつの間にか途切れていた。
男はそんな空気などものともせず、俺たち三人をゆっくりと見渡した。
そして、口元だけに楽しそうな笑みを浮かべる。
「いいねぇ〜」
その声は妙に余裕があって聞き覚えのある声だった。
辰哉💜「恋の三角関係だねぇ〜」
翔太💙「……理事長!?」
辰哉💜「は?」
翔太💙「え?」
辰哉💜「秘書ですが?」
翔太💙「……秘書?」
辰哉💜「そう。社長秘書」
そう言って、男は何事もなかったように胸ポケットから名刺を取り出した。
辰哉💜「いいねぇ〜恋の三角関係だねぇ〜」
翔太💙「やっぱ理事長じゃん」
亮平💚「いいから翔太、早くこっち来なさい」
さく美🩷「あっやめて私の翔太さん」
亮平💚「はぁ💢」
さく美🩷「やだぁ怖い♡翔太さん助けて♡」
亮平💚「💢」
その時、背後から低い声が飛んできた。
照💛「……朝から何やってんだ、お前ら」
翔太💙「……照くん?」
振り返ると、そこにいたのは見慣れた顔だった。
ただ、周囲の社員たちの反応だけが違う。
「おはようございます、社長」
「おはようございます」
次々と頭を下げる社員たちを見て、俺は目を丸くした。
翔太💙「……照くん、随分と出世したんだね」
照💛「お前、今さらかよ」
翔太💙「社長なの?」
照💛「そうだけど」
翔太💙「へぇ……すご」
思わず素直な感想が漏れる。
すると隣から、亮平が呆れたようなため息をついた。
亮平💚「馴れ馴れしすぎでしょ」
翔太💙「だって照くんじゃん」
照💛「ここでは社長」
翔太💙「……社長」
照💛「そう」
一瞬、妙な沈黙が落ちた。
さっきまで廊下を行き交っていた社員たちも、社長の姿を見ると足を止めることなく、静かに頭を下げて通り過ぎていく。
その空気に、俺も思わず背筋を伸ばした。
照💛「で?」
照が腕を組み、俺たち三人を順番に見渡した。
その瞬間、さっきまでの軽い空気が少しだけ引き締まる。
社長という肩書きが、急に現実味を帯びた。
亮平💚「……新商品のプロモーションです」
さく美🩷「そうなんです♡ 私と翔太さん、二人きりで――」
照💛「ふぅ〜ん」
さく美の言葉を最後まで聞くことなく、照は俺たちを見回した。
照💛「営業部長、広報担当、経理担当。商品を売る側、宣伝する側、数字を見る側。全部揃ってるじゃん」
さく美🩷「でも、私は翔太さんと二人で……」
照💛「亮平も参加で」
さく美🩷「聞いてました?」
亮平が吹き出しそうになるのを堪えている。
その横で、深澤だけが楽しそうに笑っていた。
辰哉💜「それでしたら社長、もう一人会議に適任の人材が……」
その瞬間、オフィスの空気が変わった。
ざわついていた社員たちの声が、嘘のように途切れる。
その視線が、一斉に俺の後方へ向けられた。
ゆっくりと、こちらへ近づいてくる足音が聞こえる。
そして次の瞬間背後から伸びてきた腕が、俺の腰をしっかりと抱えた。
不意に身体が引き寄せられ、背中に馴染んだ体温を感じる。
翔太💙「蓮!」
蓮 🖤「やぁ。お待たせ」
まるで何事もなかったかのような顔。
けれど、俺の腰に回された腕だけは一向に緩む気配がない。
亮平はその様子をじっと見つめ、深いため息を吐いた。
亮平💚「待ってないわよ……離れなさい💢」
もちろん蓮は聞こえなかったふりをした。
むしろ俺の肩越しに亮平を見て、ほんの少し口角を上げている。
――なんだろう。
これ、もしかして俺を巡って張り合ってる……?
そんなことを考えていると、向かい側から小さな笑い声が漏れた。
深澤さんだった。
四人を順番に眺めながら、眼鏡の奥で楽しそうに目を細める。
辰哉💜「……なるほどねぇ」
その口元に、いつもの悪戯っぽい笑みが浮かんだ。
辰哉💜「恋の四角関係だねぇ〜」
翔太💙「……何それ?」
俺には何のことだかさっぱり分からない。
というか、どうして俺を囲んでいる人数を数えているんだろう。
亮平💚「どうでもいいから、話を進めてください」
亮平が呆れたように眼鏡を押し上げる。
一方のさく美は、蓮の登場にもまったく怯む様子がない。
むしろ興味津々といった顔で、上から下まで眺めている。
さく美🩷「私は翔太さんと二人がいいです♡」
その言葉に、蓮の腕がわずかに強くなった。
翔太💙「……蓮?」
蓮🖤「それは却下」
即答だった。
あまりにも迷いのない返事に、思わず目を瞬く。
翔太💙「えっ……」
その横で、深澤さんが肩を揺らして笑っている。
辰哉💜「あはは。ますます面白くなってきたねぇ」
蓮はそんな深澤さんを一瞥すると、俺の耳元へ顔を寄せた。
蓮🖤「俺の不在中、随分と人気者になったみたいだな」
低い声が耳に落ちて、思わず肩が跳ねる。
さく美はそんな俺たちを見て、ますます目を輝かせた。
さく美🩷「だれよこの顔だけ無駄にイケメンな奴」
蓮🖤「……顔だけ?」
一瞬、空気が凍った。
深澤さんが咳払いをする。
辰哉💜「さく美さんは初めましてですね。カナダ支社から昨夜一時帰国した、営業一課の部長――目黒くんだ」
その紹介を受け、蓮はようやく俺から身体を離した。
……と思った。
腰に置かれていた手が離れたのはほんの一瞬で、今度は自然な動作のように俺の肩へ回される。
――やっぱり。
蓮、絶対わざとやってる。
蓮🖤「やあ、さく美さん。宜しくね」
さく美と俺の声が重なった。
🩷💙「かっこいい〜」
亮平が小さく眉をひそめる。
その反応を見た蓮は、今度はわざとらしく俺の肩を抱き寄せた。
――やっぱり。
蓮、絶対わざとやってる。
そんな俺の疑念などお構いなしに、社長の照くんが腕時計へ目を落とした。
照💛「じゃあ、あとは四人で頑張って。本会議までに話をまとめておくように」
社長らしい、簡潔な言葉だった。
なのに、俺にはどうしても違和感がある。
さっきまで一緒にいた照くんなのに、今は完全に「社長」だ。
翔太💙「なんか照くん、社長っぽい」
照💛「だから社長だって」
翔太💙「そっか」
亮平💚「そこ納得するところじゃないでしょ」
照くんは呆れたように息を吐くと、そのまま秘書の深澤さんを伴って廊下の向こうへ消えていった。
残された俺たち四人の間に、妙な沈黙が落ちる。
さく美は何事もなかったように会議室を指差し、亮平は手元の資料をまとめ始めていた。
そして蓮は――相変わらず俺の腰から手を離さない。
……これ、本当に会議するの?
さく美🩷「じゃあ、行きましょう、部長♡」
さく美が会議室へ向かおうとした、その時だった。
翔太💙「……俺も行くんだよな?」
さく美🩷「もちろんですよ、部長♡」
翔太💙「だって俺、何すればいいか分かんないし……」
蓮は呆れたように俺を見ると、腰に回していた手をようやく離した。
蓮🖤「何言ってんだよ。部長なんだから、ちゃんと参加しろ」
翔太💙「……部長?」
蓮🖤「仮にも営業部長だろ?」
翔太💙「仮にも……?」
蓮🖤「俺の不在の間」
その意味を理解するまで、数秒かかった。
翔太💙「……ん……ええっ!」
思わず声が裏返る。
俺はてっきり、ちゃんとした営業部長だと思っていた。
それなのに――。
翔太💙「……臨時?」
蓮🖤「そう。俺が帰ってくるまでの間だけ」
その一言で、さっきまで少しだけ誇らしかった胸が、しゅんと萎んだ。
翔太💙「……なんだよ。臨時って」
蓮🖤「何?」
翔太💙「俺、部長なのに……」
口を尖らせながら、ネクタイを指先でいじる。
せっかく似合っていると思ったスーツも、窓際に置かれた立派なデスクも、急に借り物みたいに思えてきた。
亮平💚「はいはい。拗ねないの。臨時でも部長は部長でしょ」
翔太💙「……ほんと?」
亮平💚「ほんと。すっごくカッコいいぞ部長」
その言葉に、少しだけ気を取り直す。
蓮🖤「じゃあ、臨時部長。会議、頑張って」
翔太💙「……その呼び方やめて」
蓮が楽しそうに笑った。
さく美🩷「じゃあ行きましょう、部長♡」
翔太💙「……臨時じゃないなら行く」
亮平💚「面倒くさっ」
それでも俺は、蓮に背中を押されるようにして、三人の後を追った。
こうして、俺の人生初の営業会議が始まった。
……たぶん。
いや、絶対ろくな会議にならない。
会議室のドアが閉まる。
四人がそれぞれ席につくと、テーブルの中央には新作商品の資料と、見慣れない横文字がびっしり並んだ企画書が置かれていた。
俺はそれを眺めながら、少しだけ背筋を伸ばす。
仮にも――営業部長だ。
ここは、それらしく振る舞わなければ。
翔太💙「じゃあ、まず今回のプロモーションのコンセプトをディスカッションしよう」
四人の視線が、一斉に俺へ集まった。
……あれ?
蓮🖤「……」
亮平💚「……」
さく美🩷「素敵♡」
さく美だけが嬉しそうに頷いている。
俺は胸を張った。
翔太💙「何?」
亮平💚「いや。お前、意味分かって使ってる?」
翔太💙「分かってるし!」
蓮🖤「じゃあ説明して」
翔太💙「…………」
三人の視線が痛い。
さっきまでの自信が、みるみる萎んでいく。
……しまった。
翔太💙「……ディスカッションは……ディスカッションだろ?」
亮平💚「ほらね」
蓮🖤「横文字言いたいだけだろ」
さく美🩷「可愛い♡部長」
翔太💙「えっ///ふふふっ」
亮平💚「翔太、顔ニヤつかないの」
蓮 🖤「お仕置きだな」
亮平💚「お仕置きですね」
翔太💙「やだぁ……」
その声が、妙に遠くから聞こえた。
次の瞬間――。
目を開けると、見慣れた天井がぼんやりと視界に入った。
翔太💙「……え?」
さっきまでの高層ビルも、立派なデスクも、窓の向こうに広がっていた街並みもない。
代わりに聞こえてきたのは、窓を叩く雨音と、すぐ隣から聞こえる小さな寝息だった。
翔太💙「……夢?」
ぼんやりと呟いたところで、隣から声が落ちてくる。
亮平💚「翔太?……大丈夫?」
翔太はまだ半分眠ったまま、毛布を鼻先まで引き上げた。
翔太💙「……怖い夢見た」
亮平💚「怖い夢?」
翔太💙「うん……」
何が怖かったのかと聞かれても、うまく説明できない。
ただ――最後に聞いた二人の声だけは、妙にはっきりと覚えていた。
『お仕置きだな』
『お仕置きですね』
その二つの声が頭の中で重なって、翔太は毛布をきゅっと握った。
翔太💙「……お仕置きは、勘弁してください……」
寝ぼけたまま小さく呟くと、亮平が思わず吹き出した。
亮平💚「ふふっ……何それ寝ぼけてるの?可愛い」
翔太💙「だって……怖いんだもん……」
蓮 🖤「明日も早いんだ。ゆっくり寝なさい」
低く落ち着いた声に、翔太は安心したように小さく頷く。
翔太💙「……はぁーい」
再び瞼を閉じる。
雨音が、一定のリズムで耳に届いていた。
亮平の気配。
背中に感じる蓮の温もり。
その安心感に包まれながら、意識はまたゆっくりと沈んでいく。
――今度こそ、ちゃんと眠れそうだ。
そう思ったのに。
「部長! 会議、始まりますよ!」
……聞き覚えのある声がした。
翔太💙「……ん?」
目を開ける。
そこにあったのは――
さっきと同じ、高層ビルの窓。
窓際に置かれた、立派なデスク。
そして、見覚えのあるスーツ姿の自分。
翔太💙「…………」
嫌な予感がした。
ゆっくりと視線を横へ向ける。
そこには、首から電卓をいくつもぶら下げた長身の男が立っていた。
亮平💚「部長。会議、始まりますよ?」
翔太💙「…………」
夢は、終わっていなかった。
翔太💙「……また?」
亮平💚「何がです?」
亮平は何事もなかったように手元の資料を整えると、ふっと笑った。
亮平💚「その前に、部長。ちょっとお話があります」
翔太💙「……え?」
亮平がミーティングルームを指差す。
その先に表示された〝空室〟の文字が、なぜかやたらと不気味に見えた。
翔太は思わず天井を見上げた。
――神様。
お仕置きだけは、どうか勘弁してください。
コメント
10件
本当に💙が可愛くて可愛くてどうしてくれよう???これは、お仕置きかな?🤤
本編進めず最近は番外編ばかりを描いてる気がするwww 長くなっちゃって二部作になる予定🤣💦 ノーセンシティブ👎 キスもないなんて😱😱😱
あおいです🌷 番外編、めちゃくちゃ可愛かったです…!翔太くんの夢の中の営業部長姿、もう最高でした。あのスーツの似合わなさ加減と、臨時部長って知ってしょんぼりするところがたまらなく愛おしい。亮平さんの「目が笑ってない笑顔」と蓮くんの後ろから抱きしめる仕草、それにさく美ちゃんのポテチ新商品プレゼン…みんなのキャラが立ってて、読んでるこっちまで笑顔になりました。最後の「お仕置きだけは勘弁」って祈る翔太くん、無邪気すぎて可愛い(笑)。花凜さんの書く温かくてちょっと切ない日常の延長に、こんなファンタジーが広がるのが本当に素敵だなって思いました。続きが気になります!