テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「はぁ。」
「どうした、敬斗?」
大きなため息を吐いた俺に、いつから傍にいたのかタケが声をかけてきた。
「別に。」
そう言いつつ、ため息の原因である人物へ視線を向ける。
その人物は電話口の相手と話が盛り上がっているのか終始笑顔で楽しそうで…
「はぁ。」
懲りもせず、俺は止めどなく出るため息を吐き続ける。
「純也君なぁ。俺らが電話しても無視するのに、あんな楽しそうに会話しちゃって。」
「まぁ仕方ないって!なんたって、相手は薫君だからね!」
俺の視線でため息の原因に気づいたタケが同調するのとうってかわって、自慢気に碧が会話に入ってきた。
「お前が電話すりゃいいじゃん。」
「無理だよ。薫君、俺の電話には用が無きゃでないもん。」
なんで偉そうなんだよ。と腰に手を当てて言う碧を見て引く。
が、俺も同じようなもんだから、碧に同情してしまった。
「あっ、お前同情すんなよ。」
「いや、お前は頼もしい奴だよ。」
ピッチでも、俺と同じ境遇な奴としても。
そう思いながら碧の肩をポンポンと叩く。
するとタケがあっと何かを思い出して碧にニヤニヤ話しかけた。
「純也君の寝癖ヘアーめっちゃ弄ってたの動画に上がってたな。」
「純也君弄ると動画に切り抜かれちゃって」
「何それ!?」
全く知らない話題に食いつくと、タケと碧が更にニヤニヤする。
「あっ、そっかー。敬斗君は朝ギリギリだから知らないのか~」
「ギリギリじゃなければ楽しいの見れたのにねー。」
どこぞのJKかってくらい鬱陶しい弄りにイラっとするが、確かに朝ギリギリだからそれまでの出来事は殆ど知らない。
「次から朝早く集合に行こ。」
「おっ!いい心がけじゃん!」
「純也くん効果抜群だな!」
ケタケタと笑う2人に煩いなと思っていると、ふいに名前を呼ばれて視線を向ける。
するといつの間に近づいてたのか、純也君がスマホを俺に差し出してる。
「薫がお前の立ち位置でアドバイスあるって言うから、直接聞いて。」
「うん、分かった。」
そう頷くと純也君からスマホを受け取った。
「で?さっきからなんか煩かったけど?」
「いやー、純也君と一緒にいるとカメラにめっちゃ抜かれるなって話で盛り上がっちゃって」
「そうそう。そしたら、敬斗も朝早く集合するって言うから更にビックリしたっていうか。」
「へー。あの敬斗がねー。 」
敬斗が早起きなんて出来るわけないわなー。と思いながら、薫と話している本人に視線を向ける。
薫が細かくアドバイスしてるのか、聴いてる顔は真剣そのもので
「本当、顔は良いよなー。」
「そうそう。敬斗、顔は良いんだよなー。」
「いや、碧もイケメン顔だろ。」
「えー!純也君に褒められたー!」
「うるさっ。」
敬斗の顔を見ながら褒めていると、敬斗がこちらを睨み付けてきた。
「顔もだから!」
そうツッコミを入れた後に、軽く謝罪を入れてまた薫と話し出す。
電話口の薫が笑ってるだろう事を想像し、本人がここにいないことを淋しく思う。
「アジア大会には間に合うって。」
「あっ、でも純也君は会話できないかもな~。」
「え?」
「だって、俺らも薫君と話したいし!」
「薫君と話したいライバルは、いっぱいいるからね!」
何を考えてるのか読み取り、 からかい口調で言う碧とタケを見て、そうだよなと納得する。
仲間思いで、ノリも良く、それでいてメリハリをしっかり持ってる。
そんな薫と一緒にいるなんて容易い事じゃない。
「ライバルしんどっっ!!」
今から想像するだけで、薫と話が出来る未来が見えなくてねをあげる。
かるび🍖
350
赤羽結乃愛
410
そんな俺を見て、タケと碧が腹を抱えて笑った。
END
何気ないやり取りを書きたかったのー。
そして、敬ちゃんが純也君好きすぎるやないかいっ!てツッコミを入れたくなるくらい一緒に居すぎてたまらんです!
三笘さん戻ってきたら、碧くんと敬ちゃんがそれぞれと一緒に居た過ぎて三笘さんと純也君のツーショットを拝めるのか心配だよーっっ!!
コメント
1件
敬斗くんのため息がもう全部物語ってる…!「ライバルしんどっっ!!」にめっちゃ笑った😂 純也くんにだけデレデレしてるとこ、最高に尊い。 タケと碧の弄り合いもいい味出してて、何気ない日常の空気感がすごく優しいなって思いました。三笘さん戻ってきたら確かに争奪戦で大変そう…!