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第一話!
時計の針は4を指している。そうか、学校終わりか。
「いいにおーい。ねぇー、今日はなぁに?」
「今日は生姜焼きにしようかなー」
「えー!生姜焼き?やったー!ね、ひろと?」
「え、う、うん」
大森元貴くんと若井滉斗くん。
この2人はほぼ毎日ここにくる。
いわゆる常連さん。
人懐っこい元貴くんと、クールな性格の滉斗くん。
2人とも小学3年生。
一見普通の小学生だが、家庭環境は最悪と言っていいだろう。
元貴くんは母子家庭。
お母様は介護施設の、パートをしているらしい。
「おかあさん、いつも疲れててさー、帰ってきてもおかえりって言ってくんないんだよねー」
話している感じ、夜勤が多いのだろう。
「今日はカップラーメンあったの!だから今日はおかわりいらなーい」
お母様が出かけてしまっていることが多いので、孤食。
給食以外での温かいご飯はあまり食べられない。
一回お家にお邪魔させていただいたことがあるが、これがまあひどくて。
冷蔵庫には賞味期限切れのヨーグルトと、半分残ったレトルトカレー。
「これいっぱい入ってるから2回に分けて食べんの!」
「あ、りょうちゃんが家に来たこと、お母さんには内緒ね?お母さん怒るから。」
少し恥ずかしそうに笑いながら話すけど、心の中ではすごく不安に思っているだろうなぁ。
滉斗くんはお祖母様と2人暮らし。
「ひろとはねぇ、ばーちゃんと暮らしてんの!」
「ちょ、もとき、」
初めてここでご飯を食べた時、
「こんな味濃い食べ物初めて、、」
と言っていたので、
「あれ、今日味濃かったかな?」
と聞いてみたら
「いや、ばあちゃん、いつも味薄い味噌汁とおかゆしか作らないし、給食費払えないから給食食べたことないし。」
だそうだ。
普通の味付けを知らないのだ。
ご両親が離婚してから父親は蒸発、母親は新しい彼氏ができて出ていってしまった。
「ばあちゃん、病気で薬飲まなきゃだし、薬高いし、」
なんていい子なのだろう。
年金暮らし。
おばあちゃんの世話までして。
自分を蔑ろにしていることに気づいてほしい。
「あの、おかわり、してもいいですか」
「もっちろん!どんどんしちゃって!」
きっとお祖母様にも甘えたいだろうに、無理やり自立しなければならなかったのか、とても大人びて見える子だった。
続きます!
バイバイ👋