コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
私欲、独占欲、攻撃性、反抗心、自暴自棄、復讐心、劣等感、被害妄想、傲慢さ、優越感、嫉妬、虚飾、偏執狂、強迫観念、絶望。
病名:色即是空病 最近、この日本では奇妙な病気が発見されました。
なんとその症状とは自分が考えた言葉が現実になってしまうというものです。
例えば好きな異性の名前を思い浮かべて『愛してる!』と言った瞬間に相手の身体に変化が現れます。
まるで細胞分裂でもしているかのように全身が脈打ちながら巨大化していき、やがて人間の姿ではなくなってしまうのです。
しかも一度そうなったが最後、元に戻る事はできなくなってしまう。
それが世間一般で言う処の悪しき風習や伝統と呼ばれる類のものらしい。
ではそれに対する反対の立場に立つ者の意見を聞いてみようと思うのだが……
「えーっとね……」
「うん?」
ふと見上げるとそこには見知らぬ少女がいた。
いや正確には知らないわけではない。
この学校の生徒会長を務める三年生の橘聖良先輩だ。
肩口くらいの長さの髪をサイドテールにした髪型に端正な顔立ちをしており、女子生徒からの圧倒的な支持を得ている人気者である。
ちなみに成績優秀・品行方正・才色兼備・文武両道といった四字熟語の数々は全て彼女のことを指していると言っても良いかもしれない。
それくらい彼女は何でも出来てしまい、どんなことでもそつなくこなしてしまう超人的存在だったりするのだ。
ただ一つだけ弱点を挙げるとするならば、恋愛に関することだけは苦手意識を持っているということだろうか。
「ねえ天音さん……」
休み時間に話しかけてきた女子生徒に対して、僕は愛想良く微笑みかけた。
「何かしら?」
この子はクラスメイトの桜小路葵ちゃんといい、いつもニコニコしている明るい子だ。
そんな彼女でもさすがに今は緊張気味なのか表情を引き締めているのだが、それでも笑顔を浮かべておかないと失礼にあたると考えているらしい。
「あのね……」
言いたいことがあるけれど口に出す勇気が出ないという感じで、もじもじしながらチラリと視線を送ってくる。
うん、可愛い女の子というのは何をしていても許される特権階級だよねぇ~。
などと考えていたら横合いから衝撃を受けた。
ドカッ!
「ぐへっ!」
腹パンされたみたいに身体がくの字になるほどの威力で、椅子ごと倒れそうになったところを何とか堪えたけどマジ痛い。
でもまだ終わりじゃない。
ここで踏ん張らないともっと酷いことになるぞ。
「―――!」
ほーら来た! やばいやばいっ!! このままじゃ顔面直撃コースじゃん!? 避けないと確実に死んじゃうんですけどぉぉおおっ!!!……などということはなく、普通に回避できた。
何故なら僕には未来が見えるからだ。
この能力は別に超能力とかではないけれど、それでもとても便利な能力であることに変わりはない。
それに先読みして動けるのは戦いにおいて大きなアドバンテージとなる。
それに加えて僕は運動神経抜群なので反射神経も良い。
加えて僕は頭脳明晰で勉強だって出来る。