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【BioTOPE 7話】
『わたしがしにたくなくなるまでの話』
【能力者名】栗毛色あるは
【能力名】わたしのR
【能力】自殺衝動をすいとる能力
《タイプ:友好型》
「話したら楽になったよ。」
「あっそ、じゃあ次。」
【以下、細菌達の記録】
《お昼休みにて》
今日も今日とて私に自殺衝動を吸ってもらおうと死にたいやつらが私の元へと続々
やってくる。
私はそいつらのどうっでもいい悩み事を
今日も今日とてコーヒー牛乳とタマゴサンド
片手に適当に聞き流していた。
私は栗毛色あるは、自殺衝動をすいとる能力
「わたしのR」を持つかわいいかわいい
高校二年生女子だ。
………別にいいだろ?
心の中でぐらいそう思っても。
実際には中の下か下の中なことぐらい
わかってますよーだ。
そう思わないとやってられないぐらい
他人の自殺衝動を毎日吸い取り続けてる
私の気分は最悪なのだった。
高校生なんて悩みの塊みたいなもんだから
やれ部活だのやれ恋愛だのやれ推し活だの
やれ受験だので今日も今日とて
自殺衝動で大渋滞である。
(心の中でクソデカ溜め息をする)
あーあ、せめて私の能力が
「世の中の自殺衝動全部なくす」
能力とかだったらなー。
私の能力は一時的に自殺衝動を吸いとる
だけで完全になくすことはできないからなー。
ほんとゴミだよ、あたしゃ。
お蔭様でリピーター続出である。くそったれ。
はーもう金とろうかなー、一回百円くらい
とっても罰当たんねーんじゃねーかなー?
……はぁ、今日も今日とて23人の自殺衝動と コーヒーとタマゴパンでおなかがパンパン
だった。
もし私の体重が増えたら どうしてくれるんだこの相談者どもは。
一大事だぞ、乙女の体重増加は。
私の内側にある自殺衝動、腹かっさばいて
全部ぶちまけたら10キロは痩せれるんじゃないかなー?あーあ、なんかもう楽になりてー。
…..いかんいかん、また死ぬことを考えてしまった。
こんな時は私のお守りの出番である。
私はワイヤレスイヤフォンを右耳にあて
私のヒーロー、シリアスブレイカー様の
Tiktokチャンネルを開いた。
「シリアスゥーーブレイカァー!!、とうッッ!!!(川に飛び込む)
今日の動画は!!!!!全力ではなかっぱのものまね やってみた!!!!!変ッ身!!!
《ブリキノダンス》。」
私ははなかっぱって誰なのか知らないけど
思わず吹き出してしまった。
ああ、愛しの愛しのシリアスブレイカー様、
あなたはバカだ、そこが好き。
こうして私はいつもどうり
死にたがりどもの自殺衝動を吸い取りながら
推し活、恋活?に励むのだった。
(最後まで読んでくださり、ありがとうございます。)