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目覚めると知らない人に囲まれていた
覚えていたのは雪奈のことだけだったのに
雪奈はすぐそばにいなくて
不安で
不安で仕方なかった
それからしばらくして
雪奈は僕に会いに来た
いつもはよく笑う子だったのに
今は
作り笑いをしているのか
頬が引きつっていた
すぐみんなのことは思い出せた
だけど
記憶を失ってからのほうがみんな優しく接してくれた
今の関係が壊れるのが怖くて
言い出せずにいた
なのに…
雪奈: 絶対覚えてるだろ
碧音: え?…なんのこと?
戸惑いが隠せなかった
雪奈: とぼけんな
碧音: …はぁ。やっぱ幼馴染みにはかなわないなぁ
雪奈: どうせあれだろ?怖いんだろ?
図星過ぎて笑える
はずだったのに
笑えなかった
意味のわからない涙が流れてきた
雪奈はいつもそうしてくれたように
頭を撫でてくれた
碧音: こ、わい
自分でも恥ずかしくなるくらい声が震えた
雪奈: しゃあねぇな
と言ったと思ったら耳まで赤く染めて
優しく抱きしめてくれた
久しぶりに人のぬくもりを感じた
もちろん
好きな人に触れられて恥ずかしくないわけなかった
だけど
それ以上に
落ち着いた
碧音: …好き…ボソ
雪奈: なっ! 恥ずかしげもなくそんな事言うな!
焦った表情が可愛くて頬が緩んだ
碧音: 恥ずかしいに決まってるじゃん
雪奈: 人の気持も知らないで…ボソ
モヤモヤさせられた雪奈であった
うん
なんだコレ