テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#ベリアン・クライアン
ぷち
187
タコロ
67
MAKO
368
番外編82 夏のあくねこホラー
三本立てでお送りします……(∩´﹏`∩)ゾク…
『カエレナイ屋敷』
これは、私が仕事終わりに屋敷へ帰ろうとしていた時だった。
『遅くなっちゃったわね…。』
私は屋敷に続く道を歩いていた。
(あれ…?いつもならここにデビルズパレスの門があるのに…。)
『迷ったのかしら…。』
(いつも馬車だから違う道を来ちゃったのかしら。)
『また同じ道を通らないように目印を付けておきましょう。』
私は木に石でバツ印を書いた。
『こっちかしら。』
私は違う道を進む。
『ここ、さっき通った…?』
(印がある…。)
『絶対におかしい…。どうしましょう…怖くなってきた…。』
ザァァと冷たい風が吹く。
(まだ夕方なのに、何この薄暗さ…。)
ガサッ。
『主様?何してるんすか?こんなところで。』
『あ、アモン…?なんで森の中に…。』
『主様を迎えに来たんすよ。』
『私を…?』
(おかしい、アモンは暗いところが苦手のはず、それなのになんで1人で森の中に…。)
『さぁ、屋敷へ帰りましょうっす。』
アモンは私に手を差し出す。
『……アモン、どうしてここにいるの?』
『え?だから、仕事終わりの主様を迎えに…。』
『アモンは暗いところが苦手のはずよね?一人で森の中にいるなんてありえないわ。』
『……。』
アモンは黙って私を見つめる。
と、その時――。
ポンッ。
『っ!!』
後ろから肩を掴まれる。
『主様、門の前で何してるんですか?』
『ふぇ、フェネス…?』
『お帰りなさいませ、さぁ、屋敷へ入りましょう。』
『え、えぇ…。』
私は後ろを振り向く。
『あと少しだったのに――』
『っ……!』
アモンの姿をしたそれは森の中に消えていった。
あれは一体…何だったの――?
『自分がモウヒトリ』
これは、私が屋敷に居る時に起きたこと。
『あー…大学の課題めんどくさぁい…。』
『ほら、教えてあげるから頑張りなさい。』
『お姉ちゃんはもう終わったの?』
『えぇ。』
『真面目だなぁ〜。あーあ、自分がもうひとり居たらいいのになー。』
『馬鹿なこと言ってないで早く続きやりなさい。』
『わかったよ〜後はもう自分でやる!お姉ちゃんあっちいってて!』
『全く…サボらないでちゃんとやるのよ?』
『はいはい。』
数時間後――。
屋根裏
『少しくらいサボってもいいよね〜。えへへっ。』
私は屋根裏に寝っ転がる。
『百合菜、お疲れ様、少し休憩しましょう?』
(え?お姉ちゃんの声…?)
廊下からお姉ちゃんの声がする。そして、そこには私がいた。
(え?あれは、私!?なんで、私はここにいるのに。)
『お姉ちゃん、宿題ならもう終わらせたよ。遊んできてもいい?』
『え?そうなの?ケーキはいいの?』
『また後で食べる!』
(なんで、どうして私が…まさか、ドッペルゲンガー!?)
私は屋根裏からこっそり出る。
庭にて――
『百合菜、なんでここにいるんだ?さっき廊下にいたよな?』
『ボスキ…?何言ってるの?』
『だってさっき麻里衣と話してただろ。一瞬の間に移動したのか?』
『え…?』
(ドッペルゲンガーだとしたら…もし会ったら私、死ぬ……?)
『みぃ、つけた…』
『っ!!』
私は後ろを振り向いた。
『はぁ、はぁ…。』
そこには、誰もいなかった。
私の姿をしたそれは一体なんだったのか――。
『そこにいるのはダァレ?』
夜、眠れない私はキッチンに向かっていた。
『喉乾いたわね…。水でも飲もうかしら。』
と、キッチンの扉に手をかけた。
その時だった。
トントントン…。
『包丁の音?ロノかしら。』
私はこっそりドアから覗いた。
『とん、とん、とん…』
(ロノ、じゃない…?)
ロノの姿をした何かが手を止めてこちらを見つめた。
『ニヤァ……。』
『ひっ!』
思わず声を出してしまい急いで部屋に戻る。
『はぁ、はぁ……っ。』
(あれは、ロノじゃない、なに……?)
翌朝――。
『うわぁぁぁ!』
ロノの叫び声がして目を覚ます。
『ロノ!?どうしたの!?』
『あ、主様、すみません、大声出して…
朝起きたらキッチンにまな板と包丁があって…まな板が赤く汚れてたんです。』
『え……っ?ロノ、昨日ここでなにかしてなかった?』
『いいえ?昨日は仕込み終わってすぐ寝ましたから。ちゃんと片付けたはずですよ。』
それなら、昨日私が見たのは……ロノじゃ、ない……?
私が見たあれは一体なんだったのか――
なんか似たような話になっちゃったな…
怖い話って難しいね💦
コメント
1件
「夏のあくねこホラー」、めっちゃゾクッとしました!特に「カエレナイ屋敷」のアモンの偽物に気づく場面、細かい違和感から正体を見破るところが好きです。不気味なのにどこか切ないのもぷちさんらしい。“自分がモウヒトリ”のドッペルゲンガー展開も、自分の姿を見て恐怖する主人公の心情がリアル。読み終わったあと、キッチンの包丁の音がちょっと怖くなりました(笑)