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「失礼します。」
さっきまでとは違う重い男性社員の声から
緊張感が伝わってくる。
「入れ」
小さくてか細いのに低い声が部屋の中から聞こえた。
私は足がすくんで、震えていた。
ドアを開けると明るい部屋で、
大きくて黒い机に白髪マッシュの
小さい男の人が座っていた。
「首領、今日から入る新人です」
男性社員が私のことを紹介してくれた。
「今日から入社します、骨模(コツモ)です
よろしくお願いします。」
おどけながら挨拶をする。
「ん…」
そう小さく返しをされて、そのまま部屋から
退出した。
そうして私はまたエレベーターに乗り
寮階までおりていく。
「君、珍しい名前なんだね」
「あ、はいそうなんです」
私は養子にとられたので、と経緯を説明した。
なんだか話が弾んで気まづい瞬間はなかった。
寮階につくと、男性社員は
私を部屋まで見届けてくれた。
あのあとエレベーターの中で男性社員の
名前を聞いた。
久森というらしい。
「ありがとうございました。」
挨拶をして久森さんと別れたあと、
部屋に入って細かいものを片付けた。
元々綺麗好きなので対して時間は
かからなかった。
初日はなにもすることがない、と
久森さんから事前に言われていたので
今日はこれから特にすることがない。
仕事をやりたい気持ちもあるが
犯罪に手を出した感があって怖い。
それから数十分、持ってきていた本を
読み漁っていた。
喉が乾いたから飲み物を買いにコンビニに
行こうと思って、机の上に置いてある
スマホを取った。
玄関を開けると隣人も一緒に出てきた。
流石にびっくりして、咄嗟に
「わっ、、」
と声が出た。
隣人の人も驚いたような顔をしていた。
くすっと笑って
「大丈夫だよ~」と言った。
なんだか耳に残る甘ったるい声だった。