テラーノベル
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蚊💛 × 人間💜
夏になると出てくる――
あいつ。
俺は、あいつが大嫌いだ。
虫除けスプレーをしても意味がない。
夜中に「ぷーん」という音が聞こえるだけで、眠れなくなる。
叩き潰す。
そう、
それしか方法がない。
その日も、疲れて家に帰ってきた。
💜「ただいまー」
靴を脱ぎ、部屋に入る。
すると――
💜「……は?」
ソファに、知らない男が座っていた。
💜「え?」
💜「だれ!?」
男はゆっくり振り向く。
そして、にこっと笑った。
💛「おかえり」
💜(……なにこの人)
💜(すげえイケメンなんだけど)
💜「いやいやいや」
💜「あなた一体誰?」
男は少し考えてから、あっさり言った。
💛「俺?」
💛「蚊だよ」
💜「……」
一瞬、部屋の空気が止まる。
次の瞬間。
深澤は無言で棚を開けた。
蚊取り線香。
虫除けスプレー。
電気ラケット。
全部まとめて取り出す。
💛「ちょっと!ちょっと!」
💛「待って待って待って!」
💛「それはやばい!!」
💜「帰れ」
💛「お願い!」
💛「殺さないで!」
💜「いや蚊だから!」
💛「でも今は人型じゃん?」
💜「関係ない!!」
必死に手を合わせる男。
💛「ほんとにお願い……」
💛「お腹空いちゃってさ」
💛「あんたの血、すごい美味しかったから」
💛「また来ちゃった」
💜「……」
💜「は?」
💜「俺、もう吸われてんの?」
💛「うん」
💛「昨日の夜」
💜「お前かぁ!!!」
💛「あのとき美味しすぎてさ」
💛「忘れられなくて」
男はゆっくり立ち上がり、近づいてくる。
💛「お願い……」
💛「もう一回だけ」
ゲスト
有栖
💜「……」
💜(うっ……)
💜(その顔ずるい)
💜「さっさと終わらせろよ」
その瞬間――
💛「いいの!?」
目をキラキラさせる男。
まるで子犬みたいな顔。
そして、ゆっくり近づいてくる。
そっと深澤の頬に触れる。
💜「……」
💛「じゃあ」
💛「いただきます」
男の唇が――
首に触れる。
💜「……っ」
💜「ちょ、待っ」
💛「動かないで」
今度は腕。
そして足。
💜「……っ」
💜「あっ…やば……」
💛「美味しい……」
💛「ほんとに美味しい」
💛「止まらない」
ゆっくり。
時間をかけて。
男は深澤の血を吸っていく。
――しばらくして。
💜「あーーー!!」
💜「かゆい!!!」
腕も首も足も。
赤い跡だらけ。
💛「あはは」
💛「俺の跡、いっぱいついてる」
💜「笑うな!!!」
💛「でもさ」
男は嬉しそうに言う。
💛「まだ足りない」
💛「もっとつけたい」
💜「はぁ!?」
💛「気に入っちゃった」
💛「あんたの血」
💜「いや帰れ!!」
どうやら――
相当気に入られたらしい。
──────────────
おまけ。
ある日の夜ーー
部屋の中は静まり返っている。
ベッドの上では、深澤がぐっすり眠っていた。
💜「……すぅ……」
体にはまだ赤い跡が残っている
💜「ん~…かゆ……」
寝ぼけながら腕をかく。
そのとき。
窓が、静かに開いた。
すうっと入ってきた影。
💛「……」
男が、ベッドの横に立つ。
💛「ふふ…寝てる」
少しだけ嬉しそうに笑う。
💛「今日もいい匂い」
ゆっくりと顔を近づける。
💛「……」
💛「我慢できないな」
そっと手を伸ばし、
深澤の手首を軽く掴む。
💜「……ん」
少し身動きする深澤。
💛「…起きないで」
小さく囁く。
💛「ちょっとだけだから」
男の唇が、首に触れる。
💜「……っ」
💛「あぁ…やっぱ」
💛「美味しい」
男はゆっくりと深澤の服へ手を伸ばす。
布が開き、肌が見える。
💛「やばいな…これ」
今度はお腹へ顔を近づける。
💛「おいし…」
その唇は次第に太腿へと移動する。
💜「……んっ」
💜「……だれ……」
半分眠ったまま、目を少し開ける。
そこには――
あの男。
💜「……お前」
💜「また来たのか!」
💛「あ、起きた?」
💜「勝手に血吸ってんじゃねえ!!」
💛「だって」
💛「美味しいんだもん」
💜「帰れ」
💛「もうちょっと」
💜「やだ…」
💛「お願い」
💜「……」
💜「……少しだけだぞ」
💛「ほんと!?」
一気に嬉しそうな顔になる。
💜「その顔やめろ」
💛「ありがとう」
男はまた近づく。
男はゆっくりと深澤の太腿に手を添え、
そのまま唇を這わせていく。
💜「……んんっ」
💛「大人しくしててね」
💜「くすぐってぇ」
💛「……」
男はくすっと笑う。
そして、いつもより強めに血を吸う。
💜「……!?」
💜「いっ……」
💜「ちょっと痛い」
💛「ごめんね?」
💜「思ってないだろ」
💛「ねえ」
💛「また来ていい?」
💛「君のこと…もっと知りたい」
💜「……」
💜「……勝手にしろ」
💛「やった!」
男は嬉しそうに笑う。
💛「じゃあ」
💛「また吸いに来るねぇ!」
💜「結局それ目的かよ!!」
静かな夜の部屋に、
深澤のツッコミが響いた。
おわり♡ ネクスト🖤🧡
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