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\== tn ==
誰もいない廊下に、自分の足音だけが響く。
ショッピくんは、ゾムに救われたって、ずっと言ってきたのに。
現在時刻21時。俺はショッピの部屋のドアをノックする。
しばらくして、ドアがゆっくりと開いた。
出てきたショッピは、少し驚いたような顔をして、髪を触る。
shp「…どうしたんすか」
tn「ちょっと、入っていい?」
ショッピは無言で部屋に入って行った。
彼の部屋は綺麗に整頓されていた。
机の上に綺麗に重なる大量の書類。
tn「ごめんな。遅くに」
shp「大丈夫です」
無理に笑おうとして上がりきらない口元。
ショッピはベッドに腰を下ろした。その隣に俺も座る。
tn「…さっきの、どう思った?」
shp「どうって…」
言葉が詰まる。
ショッピは視線を落とした。
shp「俺だけなんすかね。全部、本気で信じてたのって」
声が震える。涙より痛い。
tn「…お前、強がらんでええんやぞ」
ぽん、とショッピの頭に手を置くと、ショッピは目を見開いた。
shp「……ありがとうございます」
少しだけ、笑った気がした。
俺はするっと立ち上がる。
tn「この書類、半分手伝うよ」
shp「いや悪いし…」
tn「俺暇やから」
そう言うと、ショッピは目線を落とす。
shp「……俺は恵まれてるなぁ…」
そんな言葉が嬉しかった。
== shp ==
電気は付いていなく、ベッド横の間接照明がほんのりと光る薄暗い部屋。
ゾムさんは、無線機を片手に誰かと喋っていた。
zm「…うん。結構いい感じ。バレちゃったけどみんな動揺してるし。………うん。よろしく。………っはは。大丈夫だって!…………うん!じゃあまた、明日連絡する」
shp「本当に、嘘だったんですね」
俺の言葉に驚いた様子も見せず、無邪気に振り返る。
zm「…そう」
ゾムさんは壁にもたれ、淡々と答えた。気まずさも、罪悪感もないような声色だった。
shp「っ………あの……」
zm「んー?」
視線だけ、送るゾムさん。
その軽さが、逆に胸に刺さる。
俺は拳を握り、震えを隠すように深く息を吸った。
心臓の音が速い。
zm「………なんでショッピを旅に誘ったか?」
俺は小さく頷いた。
もうわかっているのに。答えは知っているのに、どうしても信じたくない自分がいた。
zm「いや…今更どうしたんw?言ったやん、前」
その、優しさの欠片もない笑い方が、怖かった。
shp「……使えそうだったから」
zm「分かってるなら聞かんで?」
shp「本当なんですか」
zm「そうや」
彼の言葉に迷いはない。
黒く淡々とした事実だけが積み重なる。
shp「ッ…たまたま狙っていた国に能力者がいたから?たまたまその能力者が母国を嫌っていたから?」
zm「そう。全部、都合がいいから」
あぁ、辛い。
もう逃げてしまいたいのに足はそれを許さない。
俺は震えた声で恐る恐る聞く。
shp「今からでも、b国を裏切ろうとは思わないんですか」
zm「何言ってんの?」
shp「だって…2年も一緒にやってきたんですよ?こんなにみんなと…」
zm「俺は、8年も国から放り出されたんや」
静かに空気が揺らいだ。
俺は、視線を落とす。
そのまま、ゾムさんの部屋を後にした。
・・・
gr「護衛は誰がいい?」
あれから一日。突然会議室に呼ばれ、なんだと思い入れば、総統からこんなことを言われた。
shp「いや…いらないです」
gr「今のw国の弱点はショッピくんだ。絶対狙われるだろうな」
shp「…それって、ずっとついてくるやつですよね」
gr「……奇襲があるかもしれん」
shp「俺1人で対処できます」
gr「睡眠時ほど無防備なものはない」
shp「いや……笑」
引きつらせる口角。
本当に、もうわからなかった。
shp「俺…何信じたらいいんですか」
gr「……俺たちはショッピくんの味方だ。安心しろ」
この総統の言葉はなぜか信用できた。
俺は、深く息を吸う。
shp「じゃあ、チーノにお願いします」
グルッペンは少し目を見開き、優しく笑った。
gr「そうか」
・・・
shp「……ん”」
ふと、目が覚めてしまった。
外はまだまだ暗い。
時計は1時を回っていた。
横にはチーノが寝ている。
ci「…ぅ…」
shp「あ…起こした?」
ci「だいじょうぶ…」
もう一度布団に潜ろうとしたその時。
shp「………?」
何か、気配を感じた。
ゆっくりと身を起こすチーノは眠そうに目を擦る。
廊下。廊下の窓から入ってきたのか?
俺はすぐ横の棚からナイフを手に取る。
shp「廊下に3人くらい」
ci「ん…ぇ…まじ…?あと5分…」
shp「何言ってんの」
チーノは恐る恐るドアノブに手をかけ、勢いよく開けた。
バンッ!
外には、軍服を着た男、3名。
b国の奴らだろう。
チーノは、ナイフをまっすぐ、相手に向ける。
mb「…ショッピだ」
ci「まさか俺らの部屋が特定されてたなんて」
俺は応援の呼び出し用ボタンを押した。
・・・
ut「いやぁ〜…全然気づかんかったわ」
朝。今日は綺麗に晴れていた。
今は、食堂で全員で朝食をとっている。
夜は侵入者の対処でだいぶ体力を使った。
あれから、殺さずに応援が来るまで耐えるのは辛かった。
力は強いし、スペース狭いしで戦いづらい。
結局頬に刃がかすったし。
まあ、それはそうとして、死なずに来れたんだから良いとしよう。
rbr「でも、もうb国の奴ら来たんやな」
tn「他にも潜入しているのがいるかもしれん。気をつけて」
あれからゾムさんは消えてしまった。
もう襲撃の前日。明日で、全てが終わる。
早く明日が終わってほしいと言う気持ちもあれば、明日が怖いという思いもある。
もう、何も感じなくなってきた。
俺は、明日何をすれば良いのだろうか。
sha「…ゾム、明日が終わったらどうするんやろな」
tn「まずは、この国を守らなければいけない」
sha「そうやけど…!」
俺は、どっちの味方なんだろう?
ゾムさんの方が付き合いが長い。でも、今はw国の人間なわけで…
そんなことを、最近はずっと考えていた。
俺は、全て終わったら何をすれば良いんだろう?
ゾムさんは戻ってくれるのか?
もはや、考えるのをやめようかとも思ってしまう。
tn「……じゃあ、ロボロと大先生は書庫漁って情報集めて。シャオロンとチーノとショッピは街で情報を共有してきてほしい。俺とエーミールは総統室で計画を集めてくる」
shp「……………」
ci「……ん、ショッピくん?聞いてる?」
shp「あ……ぁ?…うん。聞いてる…」
よく考えずに朝食を食べ終え、よくわからないまま外に出た。
あと、1日だ。
ついに雪が積もりました。
雪合戦楽しかったです
それでは次回もよろしくお願いします