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「…本当に、俺のこと好きになってくれたの…?」
「うん、大好き」
「何で…?」
「…つらい時も楽しい時も側にいてくれて、俺のことを大事にしてくれて、いつだってあったかくて優しくて。そんな奴、好きにならないわけないじゃん…」
「…っ」
「これでもまだ駄目? まだ俺の気持ち、信じらんない?」
「…さすがに、こんだけキスされたら信じる…」
少し照れたように視線を逸らした蓮にほっとする。良かった…自分の気持ちを否定されるのが一番つらいから。
ちらっとこっちを見た蓮にふにゃっと笑ってみせると、バツが悪そうな顔をしながら両頬に当てたままだった両手で俺の頬を拭い始めた。
そういえば、泣いた顔のままだったの忘れてた。
お返しに蓮の一筋だけ流れた涙も掌で拭ってやる。
「…届いて欲しいって、そう思いながら届くわけないって思ってた」
蓮がぽつりと呟く。
その気持ちは、何か分かる気がした。
振り向いて欲しい、俺を好きになって欲しいって思ってるのに。いざその時が来たらどうしたらいいか分からない感じ。
多分、俺の前の恋が成就しても同じように思ったかも。
ましてやさっきの感じだと、蓮は俺への片想いをちょーっと拗らせてるみたいだったし。
でもさ、残念なことにそれすら今はときめきしか呼ばない。拗らせるほど俺のこと好きでいてくれたんだ…! なんて、めちゃめちゃキュンとする。
恋は盲目とは、よく言ったもんだ。
だからこそ、蓮にもちゃんと両想いの実感を持たせてやりたいって思う。
「なあ、蓮」
「…何?」
「もう一回、ちゃんと言うね。俺、蓮のこと好きだよ。お前がどれだけ自分のこと嫌いでも、そんな蓮ごと、大好きだよ」
「うん…」
「ずっと側にいてくれてありがとう、蓮。これからは、俺が蓮の側にいたいんだ…駄目か?」
「…駄目、じゃない、けど…」
「けど? この後に及んで、けど?!」
「か、片想い期間どれだけ長かったと思ってるの。すぐに事態が飲み込める程度じゃないんだよ…!」
何それ可愛い。蓮が可愛い。何かもう堪らない気持ちになって、ぎゅーっと蓮を抱きしめた。
「蓮可愛い! すげー可愛い!! 大好きっ」
「もういいよ! 分かったってば!!」
「何だよ照れんなよ! てゆーか、分かったって何がどう分かったんだよ」
「…今の佐久間くんからめちゃくちゃハートが飛んでる…気がする」
何だそれ。漫画とかアニメみたいな感じ?
だとしたら、今の俺の周りはめちゃめちゃ飛びまくってることだろう。
普段クールに見えがちな蓮の珍しい照れた様子が嬉しくて、ぎゅうっと抱きついたまま頭に頬をすり寄せる。
両想い、なんだ。今の俺と蓮。
その事実を噛み締めると、何だかじんわり涙腺が緩んできた。
俺は蓮が好きで、蓮も俺が好きで。2人の想いがお互いに向いて通じ合うって、こんな奇跡みたいなこと本当に起きるんだな。
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にゃーにゃ