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数週間後。
マンションのリビング。
ソファに座った元貴は膝にクッションを抱えて、ぼんやりとお腹を撫でている。
まだ目立たないけど、少しずつ柔らかく丸みを帯び始めてる気がする。
滉斗がキッチンからトレイを持って戻ってくる。
温かいハーブティーと、吐き気対策のドライフルーツ、軽いトースト。
【滉斗】「元貴、起きてたんだ。少し 食べてみる?」
元貴が顔を上げて、弱々しく微笑む。
【元貴】「…うん、ありがとう。残しちゃうかもしれないけど、ごめんね、」
滉斗が隣に座る。
トレイを膝の上に置いて、トーストを小さくちぎって差し出す。
【滉斗】「一口だけでもいいよ。ゆっくりで大丈夫だから」
元貴が小さく頷いて、口に運ぶ。
少し噛んで、ゆっくり飲み込んでから、ホッと息を吐く。
【元貴】「…少し、落ち着いたかも。滉斗のハーブティー、効くね」
【滉斗】「よかった。病院の先生が言ってたハーブ、試してみたんだ。吐き気軽くなるって」
元貴が滉斗の肩に頭を預けて、目を細める。
【元貴】「…最近、毎日優しくしてくれてありがとう。僕、甘えすぎかなって思うけど…」
【滉斗】「甘えすぎなんてないよ。今、一番大事な時期なんだから。俺にできること、全部したいんだ」
滉斗が元貴のお腹にそっと手を置く。
まだ小さいけど、温かさが伝わってくる。
【滉斗】「…最近、動いてるって感じる?」
【元貴】「うん、ちょっとだけ。朝とか、夜にぴくぴくって…。まだ小さいけど、ちゃんと居るんだなって思うと…涙出そうになる」
滉斗の目が優しく細まって、元貴の髪を指で梳く。
【滉斗】「俺も、触ってるだけで…胸がいっぱいになるよ。元貴と一緒に、この子を守っていけるのが、すごく幸せ」
元貴が滉斗の手を握り返して、指を絡める。
【元貴】「…病院のエコーで、性別わかる日が近づいてきたね。男の子かな、女の子かな…」
【滉斗】「どっちでも、元貴に似てたら絶対可愛いよ。俺、毎日『おはよう』って話しかけてるんだ」
【元貴】「ふふ…知ってるよ。夜中に起きて、お腹に顔くっつけて『パパだよ』って囁いてるの、気づいてる」
滉斗が少し照れくさそうに笑った。
【滉斗】「バレてた…笑。毎日声かけたいんだ。俺たちの声、ちゃんと届いてるかなって」
【元貴】「届いてるよ。きっと、安心してると思う。滉斗の声、温かくて好きだから」
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