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#BL
kaede🍁
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おその★
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篝火

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「俺たち、少し席外そうか。」
阿部が小さな声で言うと、渡辺もすぐに頷いた。
「そうだな。」
「コーヒーでも飲んでくる。」
二人は何も聞かず、何も言わず病室を出ていく。
ドアが静かに閉まると、部屋には深澤と岩本だけが残った。
しばらく沈黙が流れる。
深澤はテレビの前にある二人掛けのソファへ歩いていき、ぽんぽんと隣を叩いた。
「座ろ。」
「……うん。」
岩本も隣へ腰を下ろす。
肩が少し触れるくらいの距離。
昔なら当たり前だったその距離が、今はどこか照れくさかった。
深澤が小さく笑う。
「なんか。」
「緊張するね。」
「そうだな。」
また少し沈黙が流れる。
先に口を開いたのは深澤だった。
「俺さ、ずっと勘違いしてた。」
岩本は静かに耳を傾ける。
「もう何年も。」
「キスもしてないし。」
「こうやってハグすることもほとんどなくなって。」
深澤は自嘲するように笑った。
「だから。」
「もう飽きられたのかなって思ってた。」
「恋人じゃなくて。」
「ただのメンバーになっちゃったのかなって。」
その言葉に、岩本はゆっくり首を横へ振る。
「違う。」
「俺のせいだ。」
深澤が顔を上げる。
岩本は自分の膝の上で手を組み、静かに話し始めた。
「交際を隠すことばかり考えてた。」
「仕事中も、楽屋でも。」
「誰にも気付かれないように。」
「距離を取って。」
「普通のメンバーみたいに振る舞って。」
「それを何年も続けてたら。」
岩本は苦く笑う。
「自分でも。」
「どこまでが恋人で。」
「どこからがメンバーなのか。」
「分からなくなってた。」
「……。」
「ふっか。」
岩本は深澤を見る。
「ごめん。」
「寂しい思い、させた。」
深澤は驚いたように目を丸くした。
そして、ふっと笑う。
「なんだ。」
「一緒だったんだ。」
「え?」
「俺も。」
「同じこと考えてた。」
深澤は少し照れながら続ける。
「照の気持ちが分からなくなって。」
「でも俺も。」
「自分から踏み出す勇気がなくて。」
「だから。」
「俺も、ごめん。」
二人は顔を見合わせる。
どちらか一人が悪かったわけではない。
長い年月の中で、お互いが少しずつ遠慮を重ね、そのまま距離の測り方を忘れてしまっていただけだった。
岩本が穏やかに笑う。
「だったら。」
「また覚えていけばいい。」
深澤も微笑み返す。
「うん。」
「一から。」
「やり直そう。」
その言葉に岩本は頷く。
「恋人として。」
「もう一回。」
「よろしく。」
「こちらこそ。」
深澤は自然と右手を伸ばく。
岩本もその手をそっと握った。
少し照れたように笑い合ったあと、二人はゆっくりと距離を縮める。
そして、お互いの気持ちを確かめるように、そっと唇を重ねた。
長い時間ではなかった。
けれど、それは失っていた時間を少しだけ取り戻すような、穏やかで優しい口づけだった。
唇が離れると、深澤は照れ隠しに笑う。
「なんか。」
「付き合いたてみたい。」
岩本も珍しく照れたように笑った。
「それも悪くない。」
二人は肩を並べたまま、その穏やかな時間を大切に味わっていた。
コメント
3件
初めてコメントさせて頂きます、一度一気読みした後改めて読み返してます。 どれだけ長編になっても完結して下さい。 続きを楽しみにしています。

良かった。 翔太の行動にはビックリしたけど 勘は当たっていたね。 今度は翔太と涼太だね。 人の事は勢いでやったけど自分の事はちゃんと出来るのかな。 続き待ってます♪楽しみ😊
みぅです🤍🥀 第33話、読み終わりました……。 二人が「一緒だったんだ」って気づくシーン、すごくじんときました。長いすれ違いのあと、それでも向き合おうとする優しさが、静かに伝わってきて。 「また覚えていけばいい」って言葉、本当に深いなって思いました。 みらさんの紡ぐ距離感、繊細で大好きです🌙