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・前回に注意書きあり
(アキ視点)
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ここはどこだろう。
見渡す限りの黒がある。
気味の悪い空間だが、不思議と恐怖はなかった。
慣れているような気がした。
無気力に歩いていると、
脈動し僅かな光を発する何かを見つける。
なにかの塊のように見える。
…心臓みたい。見たことないけどね。
「‐‐‐‐」
「…なんか、聞こえてくる…」
…幼い子供の声と、誰かの怒号。
何かの爆ぜるバチバチ、というような音。
ベタベタと何かが飛び散り付着する音。
あ、これ、昔の___
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アキ「…っはぁ…はぁ…」
…また同じ夢。もはや慣れてしまった。
もう何年続けてきたのかも考えられない。
…いや、覚えてる。6年間だ。10歳のある日から16歳の今まで、
毎日見続けてきた夢なのだから、嫌でも覚えてしまう。
嫌な汗と気付いたら伝っていた涙を伸びた袖で拭う。
朝だ、今日も地獄が始まってしまった。
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さっき言った、子供の声と怒号、爆ぜる音、何かが飛び散る音。
あれは10歳の頃の俺の記憶だ。
ずーっと前の施設で火事があって、
確か…15人くらいの子どもが死んでしまった。
なんで俺のせいにされたんだっけ、
記憶ないや…
アキ「学校…行こうかな、」
そういえば、中学の最初に行ったきりだから
ちゃんとした学校に行くのは久しぶりかも。
今まではずっとフリースクール止まりだったけど、
将来のことも考えないといけない今はそんなわけにも行かないから仕方ない。
アキ「…疲れるなぁ」
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アキ「…あー、ここ何処…?」
久しぶりすぎる普通の学校。
もちろん構造なんてわかるわけなく、
職員室を探してうろついていた。
…そもそもここ、広すぎる!!
設備多すぎて頭痛くなりそう、いらないよこんなに!!
(言い訳がましいよね、ごめんね)
「あれ、君ー!!どーしたのー?」
ふらふらと迷っていたら、
俺との身長差が半端ないちっさい子が後ろに立っていた。
…小学生かな。
「ねぇ、失礼なこと考えてる??」
「…(首振」
小学生は冗談として、制服を着ていることからこの学校の生徒だという考察ができる。
…そうなると、同学年だったりするのかも。どうでもいいけど。
「あ、件のてんこーせーさん?」
「…噂になってるんだ、」
…あの火事も、しばらく近所で噂になってた。
あ、もちろん悪いほうね。俺のせいだって。
「せんせーが探してたよ!迷っちゃった〜?」
「……センセイ…」
久しぶりに聞く言葉かもしれない。
「一緒に行こっ!ね!」
「…ありがとう…?」
「うん!!」
…なんだか、とてつもない嫌悪感を感じる。
この笑顔が怖い。気持ちが悪かった。
理由なんてわからないけど、ただひたすらに怖い。
欲望が全面に現れたような笑顔だった。
どこかで見たことがあるような…
…気の所為かな。
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短すぎますがここで切ります!!
ちなみに例のちっちゃい子の笑顔は「The・優等生」みたいな笑顔で
目を開けたら黒いんだろうなって感じの笑顔です。
ちなみにアキさんの話ですが
過去に居た児童養護施設で起きた火事を職員に擦られて悪印象がついています。
その弊害で国からの生活支援を受けられなかった時期が長くありました。
(市とかの職員が差別して追い返され続けた)
次回もお楽しみに!