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「今日はLisaが居ません…ご家族の都合で今回のイベント参加を見送ることになりました。」
と、突然の謝罪に戸惑う観客。だが、続いてチームメンバーの紹介に移った。いつものメンバーの中で一人、見たことある人がマイクを持って立っていた。そう、私の友達の慧だ。代官市の誇り丸宮市長の娘で歌が上手い事に定評がある。
「み、皆さんっ!盛り上がってますかぁ?」
その緩い声に誰も反応しない。ここまでがテンプレ。すると慧が咳払いをし
「お前ら!よく来てくれたな!!嬉しいよ!!最初は不安で眠れない夜もあった!それでもお前らに会いたくてたくさん練習してきた!!そして!ついに!Realize Color復活イベントが開催されるぞぉー!!!今から盛り上がる準備出来てんのかー!!」
と、観客にカツを入れた。その声に反応し、観客の声が会場内で重なる。大きく、そして声を張らしつつライトペンをステージに向けていた。
「では!今からリアカラの皆さんに最初のパフォーマンスですっ!曲は誰もが知ってる勇気を出す曲ですっ!…どうぞ。」
すると、音源から軽快ないえーいという言葉が聞こえてきた。”トライトライ!”という声と共にステージから6色の美しい光の線が回り始めた。慧の元気のある歌声で辺りが魅了されていく。小さな光が生まれては消えて、大きな枠組みを作った。広がっては消えてくるくると円を描いた。途中で縦振り横振りを止め、動きつつ空中で回すという光の交差を見れた。これがスピンスティックという技か、しっかりと片手で受け取る様はジャグリングをする道化師のようだ。
「はっ!はっ!」
という、微かな声の響きが耳に届く瞬間が面白く感じる。本当に「趣味で集まった人たち」のクオリティなのだろうか。そう疑いの芽を産ませてしまうほど、無料で見られることに喜びを感じさせるのだ。ボランティア活動から始まったこのイベントは絶対に受け継いで行かなければならない。
「続いて参加型ですっ!!一緒に一つの作品作ってこー!!!」
そう言うと観客席の電灯がぷつんっと消された。
続く。.:*・゜
次でミドライがおわります!!地域のイベントはくせが強くて好きです。