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「いまから!このリズムに合わせてそのライトを振ってねー!!」
観客の大きな声で会場の熱が高まった。私も構わず縦に振る。だが、海月はイロハを知らない。だから、この場では場違いかもだけどリアカラの音源が流れた頃合いで恥じらいを無くして有名な曲を歌った。(ハートが付いたら歌詞公開致しますm(_ _)m)
「……!?星螺…?」
海月はこのノリに着いて行けてないならば、会場を海月に合うように変えていけばいいんだ。そもそも、ファンも歌っていいということになっている。そういうルールだ。周りの参加者は大声で私の特徴を言う。
「白髪でハーフアップの女性」と。
私はこのイベントで毎回歌っているのだ。一部の人にはmi-naと歌声が似ていると評判だ。だが、大半は初めてこのイベントに来た人の割合が多い。ましてや、巷で有名なRealize Colorさえ知らない野次が湧く始末。鬱陶しいブーイングの中、別世界にいるリアカラのメンバーは止まらず歌い、舞っている。持っていたライトペンをマイクのように使い、たまに人々を魅力するパフォーマンスを息を吸うようにこなしていく。アンチになんて負けないと言わんばかりの強気な姿勢に会場の雰囲気が変わる。
「いいねぇ~!みんなー!盛り上がってるかーい?」
「うぇーい!!いぇーい!!」
「歌ってもいいからねー!!参加してくれてありがとー!!!お前らぁ!愛してるぞー!!!」
すると隣で歌っていた少年が海月の手を握ってコールしていた。
「リアカラのメンバーは♪色付けされた世界を♪ぶっ壊すことが♪目的だっ♪」
「…め、め、メンバーは!色付け?世界を…ぶっ、こわす?がも、も、目的的だ!」
なれないコールに力が入る。楽しそうな姿を見て少しだけ心が浄化された。
だが、まだ終わらない。すると、照明が戻ってきた。
「~!~~!!!っ!」
終わったのだろうか……?
「あ、皆様!いかがでしょう!私は凄く楽しかったですっ!!」
「慧ちゃぁーん!!」
大勢の丸宮市長ファンが叫び出した。
「では!これにてRealize Color無料復活ライブを終わります!この後は皆様お待ちかねの花火ですね!!では、来年また会いましょう!」
だが、実はアンコールがある。会場の皆が一体となってアンコール!と叫んでいるとさっきフェードアウトした音楽が戻ってきた。
「お前らぁー!!!俺らに会いたくなったのかー?」
Kazmaの声が響く。
「ウチらのアンコールはファンサ大量だよ?欲しがりだね♡」
mi-naの声に気づき、男性ファンは大きな雄叫びを周囲に晒した。
「…写真も是非!撮ってくださいね……!ちゅって、沢山させて下さい!」
私の最推しMikuruがいつもとは違う衣装で現れた。ちなみにちゅっは、この界隈で言う投げキスのようなものだ。非常にあざといね。アンコールは消灯していない。尚、写真は取り放題で動画も録画し放題。こんなアイドル界隈はあまり無いのでは。そう感じるほどの手厚いファンサ。だが、今日は3人のようだ。それはそうだ。今日は無料ライブ、メンバー全員が全員賛成している訳では無い。結局は自分に有利であるかどうか。
結局、アンコールまで楽しんでしまった。海月のことを放置していたが隣の少年と馬が合ったらしい。
「お姉さん!海月さんのお友達ですか?」
と、聞かれた。つい、魔が差してしまい
「んーん。彼女だよ」
と、失言してしまった。その一言で顔を真っ赤にした海月を見れて満足だった。
Mikuruからはファンサを貰えなかった。だが、かわりにKazmaから銃で心を奪うファンサを貰った。そのファンサに嫉妬している海月が一番可愛いんだけどね。
続く。.:*・゜