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ふゅう@低浮上
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第21話 真相と向き合う気持ち
md side
夜になり、僕達はナハトが見つけた場所…もとい特別室に向かった。
ナハト(nc)
「やっぱりここだけ…気持ち、悪い……。」
アイリス・シルフィーヌ(ir)
「ナハトがそこまで言うなら、相当ヤバいってことだよね。慎重に行こう。」
トロン・フォグナー(tr)
「ラダオ様、僕達も王族である貴方様にはなるべく危害を与えられないように守りますが、この先何が起こるか分からない以上くれぐれもガイストさんとは離れないように。」
ラダオ・ヴェルディオン(rd)
「うん、分かってる。さっきガイストにもその事で釘を刺されたから。」
ir
「ガイスト、第三王子を頼んだよ。」
ガイスト(md)
「うん、任せて。そっちに何かあったら僕も援護に入るから。」
nc
「…じゃあ、開ける。」
ナハトがそう言うと重苦しい扉を開けた。正直面倒ごとに首を突っ込みたくないけど、小さい子供までも巻き添えにしてる教会のやり方を許す訳にもいかない。
特に鍵などはかかっていなかったのですんなり中に入ることができた。だが中の様子を暗いながらも見て、そしてあまりにも異様な光景に息が詰まった感じがした。
tr
「これは…もう間違いなく黒ですね……。」
rd
「う…」
ir
「大丈夫ですか?」
rd
「うん、大丈夫…ありがとう……。」
ラダオはその光景に顔が青ざめていた。無理もない。僕らでさえ、正直退去したいくらいの所だった。
目の前に広がっていたのは壁一面に広がる神らしきものが描かれた絵画が隙間なく飾られていた。そしてパーテーションで隠されていたが、そこには拷問器具のようなものさえ置いてあった。だが部屋全体は教会にはあまり似つかわしくない黒を基調とした部屋で、家具も向かい合う2つの椅子と小さな丸テーブル、そして小さな引き出しがそこにあるだけ。テーブルの上には、水晶が置いてあった。あれは見たことがある。相手の魔力量を測るのに使う魔力水晶だ。そして引き出しの中を見ると、魔石が埋め込まれた指輪やバングル、さらに牧師達がぶら下げていたペンダントがそこにあった。
もしかしたら教徒の中にこの指輪やバングルをしているものがいるのかもしれないと考えると、相当手の込んだことをしているなと感じる。余程神のキメラを作りたいらしい。実際それを作りたいという欲に狩られた本が何十冊も見つかった。これで確定だ。
ir
「まさか、ガイストの言ってたことが本当だったなんて…正直まだ実感なんてないけど、でもこれ以上教会の好きにさせる訳にはいかなくなったね…。」
そしてその本を僕とトロンが精査していると、トロンがさらに何かを見つけたようだった。それはどうやら、教会の闇をさらに裏付けるようなことが書かれていたようだ。
tr
「…この本に神のキメラに関する補足資料を見つけたのだけど……。」
そう言ってトロンは皆に見えるように本を見せてくれた。そしてそこに驚きの供述を見つけた。
md
「!?…生命の、聖水……。」
tr
「はい、神のキメラは多分どこまでいってもキメラなので、ちゃんと理性を持てないんだと思います。そこで生命の聖水を使うことで、神の精神をそのキメラに癒着させると考えられます。」
ir
「…させない。」
nc
「…アイリス?」
ir
「絶対に生命の聖水は使わせない。どんな手段を取ってでもあの生命の聖水はこっちの手中に入れる。」
…やっぱり、アイリスはあの生命の聖水の入手に血眼になってる。もしかして助けたい人でもいるのだろうか?
md
「アイリス、もしかして─────」
そこまで口にしたところで、この教会一体で小さな地震のようなものを感じた。すると床の一部が形を変えて地下へと階段を生み出した。
tr
「…挑発してますね。おそらく僕達がここにいるのは向こうも把握しているのでしょうね。」
nc
「…行く?」
ir
「当たり前、絶対に彼らの思うようにさせてはいけない。」
こうして僕達は教会の地下へと向かった。空気がさらに張り詰めたような気がした。
…やっぱりどこか辞めたいと思っても、無作為に命が散るのを黙って見てる訳にもいかない正義感に圧迫されつつある僕の心だった。
To Be Continued………
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