今日が終わるまで

静寂の中、橘首相の執務室に加藤清政が現れる。新政府の重鎮としての威厳を持ちながら、どこか皮肉めいた笑みを浮かべた加藤が、橘のデスクに座る橘に向き合った。室内は革張りの椅子と豪華な調度品に囲まれているが、二人の間に流れる空気は緊張感で張り詰めている。

橘

「よく来たな、清政。新政府に身を投じる決意は固まったか？」

加藤

「決意だなんて大げさだ。従う理由は一つだけだ、橘。」

橘

「ふん。復讐か？　それとも、新しい戦場を求めてのことか。」

加藤は目を細め、軽く肩をすくめた。

加藤

「どちらでもあり、どちらでもない。ただ、お前が面白いと思ったからだ。それだけだ。」

橘は微笑を浮かべる。その表情には、内心の複雑な感情が隠れていたが、それを読み取れる者は少ない。

橘

「お前が言うと、皮肉に聞こえるな。それでも、必要だ。今の世界は、強者だけが生き残る仕組みだ。お前が『十魂』を使えば、どんな敵でも蹴散らせるだろう。」

加藤は自らの腰にある「十魂」の一つ、天雷剣を軽く触れるように撫でた。

加藤

「俺の武器は使うためにある。それ以上でも以下でもない。ただし、お前に一つだけ忠告しておく。」

橘

「なんだ？」

加藤は鋭い目で橘を睨む。

加藤

「力に頼りすぎるな。俺がいる間は敵を倒せるが、平和が続くわけじゃない。」

橘は一瞬目を細めたが、すぐに肩をすくめて答えた。

橘

「そんなことは百も承知だ。だが、今の俺には力が必要なんだ、清政。力を持たなければ、誰も未来を掴むことなどできない。」

窓の外には、東京が見える。だが二人の視線は、未来を見据えながらも、過去に縛られた何かを感じさせるものだった。

加藤

「好きにやればいい。ただ、俺を退屈させるなよ、橘。」

橘

「退屈だけはさせないさ。次の戦場は、宇宙だ。」

橘の言葉に、加藤はかすかに笑みを浮かべた。未来への一歩は、二人の予測を超えた戦いを呼び込むことになるのだった。

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