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67 - 第67話 危機

2024年12月01日

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地球を見下ろす宇宙ステーションへの旅のため、巨大な打ち上げ台の周りには、数万人の観衆が詰めかけていた。新政府主導で開発された最新鋭の宇宙船「天翔丸」が、青い空を背景に堂々とそびえ立つ。メタリックなボディに刻まれた「英科朝」の紋章が陽光を受け、眩しく輝いていた。

橘首相と加藤清政が特別席に立ち、観衆に向けて挨拶を行う。橘の声が広場全体に響き渡った。

「本日ここに、英科朝の新時代の幕開けを宣言する!『天翔丸』はただの宇宙船ではない。希望、挑戦、そして未来だ!」

観衆から沸き上がる歓声。その声援を背に、橘はふと隣の加藤を見る。

「どうだ、清政。この光景を見てもまだ興味がないとは言わせないぞ。」

加藤

「ただの舞台だ。俺にとっては、地上で戦う方が性に合ってる。」橘は肩をすくめ、苦笑いを浮かべる。

「宇宙戦の指揮を任せるつもりはない。だが、いずれ新たな戦場を作ることになる。その時後れを取らないための布石だ。」

加藤

「なら、お前の道楽に付き合ってやるよ。」

挨拶が終わると、宇宙船内部のデモンストレーションが始まる。橘と加藤も試験的に宇宙船に乗り込んだ。船内は白を基調とした近未来的なデザインで、各所に操作パネルやモニターが設置されている。

加藤「ほう、これが宇宙船か。思ったより狭苦しいな。」

橘「これでも最新技術の結晶だぞ。乗り心地は保証する。」

その時、船内に突然アラート音が鳴り響く。赤いランプが点滅し、モニターに緊急事態を知らせる文字が映し出された。

船内アナウンス「異常発生!エネルギー供給系統に問題あり。手動操作に切り替えます。」

橘は眉をひそめ、乗員たちに指示を出した。

橘「問題箇所を突き止めろ!清政、手伝えるか?」

加藤は不敵な笑みを浮かべ、腕を組んだ。

加藤「俺は力仕事担当だ。船の不具合はお前らに任せる。」

橘はため息をつきながらも、次の手を考え始めた。この突発的なトラブルが、二人を新たな危機へ導く予兆であることを、まだ誰も知らなかった。

宇宙への第一歩は、希望と共に不安も孕んでいた――。

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